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現代社会学実習について

目的

現代社会学演習の各担当教員が、主な研究対象とする市民運動・NPOの諸活動、地域おこし活動などの現場に学生を引率し、見学、参加や聞き取り調査の実際を指導する。

方法

「現代社会学演習」の履修を前提として、各演習ごとに実施する。
内容
それぞれの「現代社会学演習」の内容に一定程度対応した社会の現場を対象として、実習をする。
予定される内容としては、消費者運動、有機農業運動、セクシュアリティに関するワークショップ、震災からの復興活動、持続可能な地域社会づくりをめざす運動、エコ・ツーリズム、多文化共生のための支援活動、韓国の市民運動・活動の見学などがあげられる。
いずれの場合も、参加者の関心も参考にしながら、各演習において実習内容を決定する。
現代社会学実習AB(担当 昔農 英明 准教授)
 現代社会学実習では、各ゼミで研究している市民活動や地域活動の現場に赴き、フィールドワークを行います。私が所属しているゼミの昔農先生は学生に寄り添い、的確なアドバイスをして下さいます。実習では、「多文化共生」をテーマにし、学生が主体となって訪問場所や実施したい活動内容を話し合いで決定しました。春学期には、大阪の鶴橋と神戸で、在日コリアンの方や日系ブラジル人の方に、移住の歴史や現在の生活での課題などに関するインタビューを行いました。鶴橋では在日コリアンの方に街を案内してもらい、鶴橋という街の変遷、課題、共生を実現するためのヒントを学びました。秋学期には、2つのグループに分かれて、ひとつが川口市役所で地域社会の多文化共生の実情に関する聞き取りを行ったほか、もうひとつが子ども食堂でボランティア活動を行いました。川口市役所では、外国人住民が増加し続ける中、行政が共生に対してどのような対応や政策を行っているのかを調査しました。担当者への聞き取りで、川口市の多文化共生への先進的な取り組みを知ることができ、また担当者とゼミ生のディスカッションで、現在も抱えている課題や解決策を考えました。
 私たちは普段のゼミでは多文化共生に関する論文を読んで、皆でディスカッションをします。論文のみの学習だと、意見や解決策が理想論で終わる場合があります。しかし、実習で、日ごろの生活では知ることのできない現場を知り当事者の声を聞けるために、ゼミで学んでいる内容をさらに深く理解できます。私にとっての現代社会学実習は、理論だけでなく現場での経験を通して、社会の多様性や共生の重要性を実感する貴重な授業です。