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在学生の声・卒業生の声

在学生の声・卒業生の声

在学生
 幅広い学問を勉強したいと思ったことから現代社会学専攻に入学し、1、2年と様々な知識を深めてきました。3年からは大畑裕嗣先生のゼミに所属し、特に3年次は東京の下町をフィールドとして、「コミュニティユニオンとコミュニティビジネス」について研究しました。大畑ゼミでは3年次、調査のテーマや方向性、内容を全て学生主体で取り決め行うことができます。だからこそ私達も、自分達の調査に強い関心と責任を持って取り組むことができたと感じています。
 4年である今は卒論に取り組んでいます。大畑ゼミは卒論のテーマも自由なため、ゼミ生の研究内容も様々であり、それらを共有したり深め合ったりできることが面白いと感じています。卒論を書く学年になり改めて感じたことは、社会学はとても範囲の広い学問であるということです。そんな、際限のない社会学の難しさから、自分はこれまで何を学び、これから何を学びたいのか、わからなくなる時もありました。社会学の研究対象である「社会」は、明確な定義もなく流動的なものです。そんな「社会」を追い求めることはとても難しいと感じますが、だからこそ社会学は自由に研究できるのであり、そこに面白さがあるのだと今は思います。
 私は卒業後の進路に、社会との繋がりが深いインフラ業界を選びました。社会学は奥が深いとこの4年間で知ったからこそ、社会貢献のできるこの仕事にはとても魅力を感じています。次は仕事を通して、より「社会」について考えていきたいと思っています。
卒業生 峰尾公也さん(2009年卒業)
 学部卒業後、早稲田大学大学院に進学し、博士号を取得。現在は哲学研究者として大学で哲学や思想史に関する授業を担当しています。
 哲学研究は基本的には文献解読の作業です。哲学史上の古典を入念に読むことで、人類の知的遺産を保存し、次の時代に伝えることを使命としています。
 しかしもう一つ、私が重要な使命だと考えているのは、現代社会の人間の思考の枠組みを根底から捉え直すことで、さまざまな社会問題の解決の糸口を提示することです。この使命を果たすうえで、学部で培った経験が現在の研究に役立っていると感じます。
 学部入学時、私は人間の思考や行動のパターン把握に漠然と興味があったので、この興味を満たしてくれるのは心理学であろうと考え、本学科を選択しました。入学後、認知心理学を中心に学んでいくうちに、そういったパターンには社会的要因が深くかかわっている、という印象をもつようになりました。
 そこで、三年次に臨床社会学コースに進みました。授業やゼミを通じて自分の関心を掘り下げていった結果、特定の心理・社会的状況においては人間の時間の感じ方が通常とは異なる、ということに興味を引かれるようになりました。これは、私がハイデガーの時間論に関する博士論文を書くそもそものきっかけとなりました。
 私が現在の道を歩けているのは、学部での教養と人間関係があってこそです。自分のような変わり者でも受け入れられる寛容な空気が、そこには満ち溢れてたように思います。
卒業生(2018年卒業)

 私は在学中に東京都Ⅰ類Bの試験に合格し、卒業後は都庁職員として教育に関わる仕事をしています。
進路選択の際に背中を押してくれ、仕事をしていく上での素養を身につけさせてくれたのは、大学時代の4年間の経験でした。

 現代社会学専攻に在学中は、深い切り口が無数に存在する「社会」と対峙し、その新たな側面に触れるたび、新鮮な発見と驚きを重ねていく日々でした。
3年次からは平山満紀先生のゼミに所属し、東日本大震災からの復興をテーマに研究を行いました。様々な方のお力添えをいただきつつ、ゼミ生と被災地に何度も赴いては、文献やインターネットの情報だけでは得られない「肌で感じる」経験を重ねました。
 自分たちで考え行動し、時に失敗を経験し、時に体当たりでぶつかっていき、その全てから学びを得ていたと今振り返ってみて思います。当時出会った方々、ゼミ生と見た風景、思い感じたことの数々は、今も鮮烈な記憶として残っています。
卒業論文執筆の際に、沖縄県の小さな島に1人で1週間滞在し、自力でフィールドワークをやり遂げることができたのは、このゼミでの経験があったからこそだと感じています。

 そして、将来は防災の分野に関わることのできる仕事がしたい、人々の命や生活を守りたい、ひいては公益を追求できる職に就きたいと思ったことが、現在の職業を志すきっかけにもなりました。

 また、在学中に培った力が、社会人となった現在も自分の核になっていると感じています。
 第一に、他者を受容する姿勢。多様な人々や社会と自然体で接し、寄り添い、ともに考える姿勢を身につけることができました。
 次に、多角的な視点。俯瞰して、あるいはミクロな視点で、時には批判的に、と多くの角度から物事を捉える癖は、社会学を学んだこの4年間で身についたものだと感じています。
 最後に、自ら行動を起こす力。実は高校以前は、自ら積極的に行動できるタイプではありませんでした。そんな自分がここまで成長できたのは、在学中に得た様々な経験と、学生に挑戦する機会を与えてくださり、温かく時に厳しく見守ってくださった先生方のおかげであると思っています。

 私は大学時代の経験が、自分の人生において非常に良い方向に作用したと感じています。十人十色の大学生活ですが、後輩の皆さん、そしてこれから後輩となる皆さんが、未来の自分にプラスとなる4年間を過ごせることを願っています。