経営学研究科

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理念

経営学研究科の教育理念および教育目標

本学は、明治時代の自由民権運動の時代潮流を背景に、独立自治、権利自由という理念の基に建学されました。この理念は、「個を強くする明治大学」というスタンスとも呼応しています。政府、官に依存する大学や人ではなく、個々の人間の力を自発的に最大限に発揮できるような力を養うこと、そうした独立自治の精神をもった人間を社会に送り出すことを本学は目標としています。1954年に設立された経営学部の基礎の上に、経営学研究科は独立自治の精神をもち、かつ経営学の分野で高度な専門性を身に付けた大学院学生を社会に送り出すために、1959年に設立されました。

教育目標としては、優れた専門知識を持ち、独立した精神と個の強さをもつ人々、特に博士前期課程では研究や教育の分野で活動する人々、また社会においては、さまざまな企業のビジネス人や公的分野で活躍する人々の養成を目指しています。博士後期課程では、プロフェッショナルとして研究に携わる人々、すなわち大学や研究機関で働く人々の養成を目標としています。

本研究科は、学問の本質を究めることとともに、経営学という学問の性格上、今日的な問題の解明・解決にも力を注いでいます。
日本経済も、いわゆるデジタル景気によってやや薄日が差しかけ、「失われた十年」を脱却しようとしています。素材関連産業は鉄鋼や石油化学をはじめとして好業績をあげ、また自動車やデジタル家電も好調を続けています。

しかし、このような状況下でも、日本企業の構造改革はいっそう推進する必要があります。時代に即応したコーポレート・ガヴァナンスや人事制度、さらにまた、カイゼンなどのオペレーションの卓越に加えて、現在では戦略志向性が問われています。また人材の面でも、従来型のジェネラリストだけではなく、人事、マーケティング、会計などの専門的な知識をもつ人々が求められています。

このような経済社会の激動をどのように考えるか、またどのように対応していくべきか。この課題を単に現状追随的認識ではなく、変化の原因を根本から、言い換えれば、理論的・実証的に明らかにし、普遍的・一般的な位相に照らして事態の変動原因を探ることが経営学研究科のミッションであり、そうした分析手法、調査の方法などを大学院学生に教授し、また教える側も共に考えていくことを教育目標としています。

経営学研究科では、社会のこのようなニーズに応えて、また経営学研究科の上記のミッションを遂行するために、博士前期課程にリサーチコースとマネジメントコースの二つのコースを設けています。
リサーチコース
種々の経営にかかわる研究・調査などを理論的・学問的展望の下で、掘り下げて行います。
また、研究の国際化を高めるため、2ヶ国語の修得(たとえば、英語とドイツ語)を目指します。  
マネジメントコース
基本的にはリサーチコースと同趣旨ですが、対象とする大学院学生は社会人ですので、その経験を活かし、
より実際に即した課題やケーススタディなどを盛り込みながら、研究します。 
博士前期課程のリサーチコースは、往々誤解されることがありますが、単なる研究者養成コースではありません。博士後期課程に進んで、将来、大学などで教える研究者の養成が、重要な課題であることはもちろんですが、これと並んで、研究所,企業の調査部など、調査活動が必要とされる分野での専門家養成も大きな目標です。あるいは企業において、管理職、営業職、事務職、技術職などに勤務する予定の人も対象にしています。

当研究科では、留学生にも特別な試験を実施し、門戸を広く開いていますが、留学生の大部分は企業に就職します。その意味で、必ずしも研究者養成だけではなく、実務につく人も対象にしています。しかしながら、リサーチコースでの研究は、実務的な側面というよりも、研究・調査活動の基礎に関わる理論的実証的な研究方法のマスターにあります。したがって、主に、研究・調査活動の理論的実証的な研究ということになります。実際には、修士論文の作成が大学院学生の研究活動の大きなウェイトを占めています。

これに対して、博士前期課程のマネジメントコースは、通算5年以上の社会人経験をもつ現役のビジネスマンなどを対象に、実務に関連した科目を学ぶコースです。もちろん大学院ですから、理論的なバックグラウンドを重視します。この点も誤解されやすいのですが、マネジメントコースは、最先端の実務教育を行う場ではありません。そうした最先端の実務教育は、一般的に言って、どこのビジネススクールでも不可能でしょう。むしろマネジメントコースでは、学生がこれまで実務の世界で習得してきた知識を理論的に掘り下げること(経験の普遍化・一般化)、また関連知識を拡大することにより、実務で培ってきた知識が学問的にどのような位置にあるのかを探求することです。マネジメントコースで行う研究教育は、いわゆる「実務教育」ではなく、いわば「実学」を学ぶことです。この点は程度の差はありますが、リサーチコースも同じです。どちらのコースも、研究・調査への志向を基盤に、リサーチコースは理論や実証重視のアカデミック型、マネジメントコースはケーススタディなどを盛り込みながら、実際のビジネスの動向を分析し、それを普遍的・一般的な理論の中で位置づける、またはそれとの関連を問うものです。

一方で、博士後期課程については、大学や研究機関における専門的研究教育者を養成する場と位置づけています。したがって研究の国際交流や、研究自体の国際化を図るために、国際共通語ともいえる英語の習得・駆使が、博士後期課程では特に重視されています。

また研究のスタイルには、若干の授業形態もありますが、指導教員によるスーパーヴィジョンを中心としています。授業科目を「特殊研究」として、その上で指導教員による個別指導に近い形を取っています。海外の大学におけるドクターコースでは、いわゆるコースワークを重視しているところもありますが、本研究科ではスーパーヴィジョンを中心にカリキュラムを構成しています。博士後期課程では、近年、博士学位の取得を積極的に促進し、国内外における研究活動の活性化を目標とし、またそのための国際研究会の開催にも取り組んでいます。

最後に、経営学研究科は、博士前期課程においてもまた後期課程においても、実学を学ぶ場であって実務教育を行う場ではありません。この点を念頭に置きながら、日本企業の構造改革をどのように推進していくべきか、日本だけではなく、欧米、そして最重要の経済関係を構築しつつある中国や広くアジアの国々との関係も比較検討しながら、そうした課題を国際的・長期的視点,理論的・実証的視点で追求していくことが重要です。マイオーピック(近視眼的)な視点や、理論や実証のいずれかに偏った視点では、現状を根本的に変革することはできません。理論的・実証的視点、あるいは国際的・時系列的視点によってこそ、日本企業の問題点に鋭く切り込み、有意義な解決策を見出せると確信しています。 

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