近年の技術革新により、人工知能の性能が格段にあがり、2045年には人工知能が人間の知能を大きく凌駕し、人間の仕事はほとんどすべて人工知能に置き換わる「シンギュラリティ」の時代が到来するとまで言われています。「シンギュラリティ」は誇張した見方かもしれませんが、少なくとも人工知能と人間が共存する社会について考えはじめねばならない時期が来ているのは確かでしょう。
本研究科では、「情報科学」によって人工知能技術の基本をおさえ、「メディア技術と社会」でそうした技術による社会変化を扱います。また、「情報法」では人工知能が暴走したときの法的問題を、「科学史・科学哲学」では科学技術の進歩と人間社会の関係を歴史的な時間軸で俯瞰します。さらに、「認知情報論」では人工知能と人間の思考の相違点を明確にし、「生命論」では機械に生命が宿るという可能性を探る手がかりを学びます。「人類学と意識科学」では脳の仕組みと人間の営みを通して機械的人間観の問題を探ります。
まさに人工知能の諸問題を射程においた学際的な視点を築くカリキュラムが備わっています。