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数理のチカラ − 浦野 昌一

デジタル×アナログで望む電力の未来

明治大学 総合数理学部 ネットワークデザイン学科 浦野 昌一



ここで紹介できないのが残念ですが、エネルギーネットワーク研究室では今ハイブリッドシミュレータの設置を計画しています。

研究室では発電所や変電所などの巨大な電力系統が抱える課題に対して仮説をたて、それを数理科学などを活用したシミュレーションによって検証、立案します。しかしコンピュータは未知の問題には対処できず、実際に電気が流れるミニチュアモデルによる検証も必要になります。このデジタルとアナログとを融合したものがハイブリッドシミュレータです。

授業では「エネルギーネットワーク」の他に「低炭素社会」なども学びます。実は排出されるCO2の多くは火力発電によるもので、今新たな解決策が講じられています。CO2排出の少ない液化天然ガスでガスタービンを回し、さらにその熱で蒸気タービンを回して発電効率を上げる複合発電はその一例です。「フィールドスタディ」は企業見学を通じて仕事を肌で感じることを目的とした授業ですが、この夏に見学する川崎火力発電所は世界最新鋭の複合発電を擁する施設です。

肌で感じることは数学でも重要です。通販大手アマゾンのお勧め品は統計学の応用ですが、こうした身近な数学の存在に気づくことは、数学の見方を変える一歩になるでしょう。

浦野 昌一 / 先進的エネルギーネットワークの最適化,高度化の研究
地球環境にやさしいエネルギーネットワークの構築を目指しています。数理科学,情報技術を応用し,大規模複雑化するエネルギーネットワークを効率的に計画・運用するための最適化技術・高度化技術を研究しています。

数理のチカラ : ネットワークデザイン学科

他にもこんなテーマを紹介しています。

手作りのプログラムで未来の電力供給網を照らそう(2015年12月掲載)
手紙の実験から生まれたネットワークの高速化(2015年11月掲載)
ビジネスシーンが熱視線を送る統計の世界(2015年10月掲載)
デジタル×アナログで望む電力の未来(2015年9月掲載)
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