総合数理学部の中で、ネットワークデザイン学科は工学志向の強い学科です。工学は社会のためになる研究が前提にあり、その強力な武器となるのが数学です。アルゴリズムを駆使し、自らがプログラムを作り、社会の夢を実現させる。これこそが私たちの研究の醍醐味といえるでしょう。
スマートグリッドとは、電力と通信のインフラを融合させるアメリカ発のアイデアです。電気工学の専門分野だったエネルギーは、スマートグリッドの登場によって情報通信やデータ解析の技術が必要不可欠となり、コンピュータや通信の専門家のみならず経済などの専門家も加わった一大潮流となっています。
ところが、この新しい電力システムを専門とする研究室は日本では指折り数える程度しかなく、私たちの研究が海外から注目されるのはこうした理由にもよります。そのため研究室の学生はデータ解析の方法などの基礎だけでなく、英語の最新情報を入手するために英語教材を使った初歩的な英語も学びます。しかし国際社会や日本のメーカーなどで必要とされるのは、英語力そのものではなく専門性です。私は学生に「騙されたつもりで集中的に勉強しなさい」とよく言いますが将来、国際社会で活躍したい高校生も、ぜひ騙されたと思ってこの学科の門を叩いてください。