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基礎ゼミナール(1年生)紹介[小林 秀行]

明治大学情報コミュニケーション学部 基礎ゼミナール(1年生)紹介
小林 秀行 准教授
(主要担当科目)リスク社会論

≪学生へのメッセージ≫

 現代社会では、様々な社会問題が指摘されていますが、こうした問題への対応に自助努力や自己責任を問う声があがっています。小林ゼミでは、こうした現代社会の姿をどのように捉えればよいのか、ということを考えながら、あわせて「大学での学び方(アカデミックスキル)」の習得も行っていきます。
研究テーマ

災害社会学、災害情報論、リスク社会論。とくに、住民主体の災害対策や災害復興に関する研究。

■授業内容
 このゼミナールの趣旨は,リスクに対する知識を学ぶと同時に,学習を通して,課題の発見・情報の入手・情報の整理・プレゼンテーション・レポート作成など,大学における学びの技法についての習得と実践を図ることにあります。近年,政治や 経済の場面だけでなく,日常生活でもリスクという言葉が氾濫し,リスクへの対応として自助努力や自己責任を問う声があがっています。我々自身が,可能な範囲でリスクに対する警戒感をもつことは,確かに重要であるかもしれません。
 しかし,リスクという問題は,すべて自助努力や自己責任によって解決できるものではありません。むしろ,問題となってき ているのは,たとえば雇用の不安定化,格差の拡大,気候変動,大規模災害といった個人では解決困難な課題であり,そうし たリスクへの対応に自助努力や自己責任が求められてしまっているという点にあります。
 ゼミナールでは,こうしたリスクを,皆さん自身が社会を見渡し,皆さん自身の視点で問題を発見し,それがどのような問題であるのか,なぜ問題となっているのかを分析し,解決に向けてどのような方策をたてればよいのかを考える,という一連の流れを体験的に学習していきます。春学期には,記事発表という形で,現代社会で問題があると感じる事例について新聞・雑誌記事をもちよって,それぞれ2回ずつ報告をし,ゼミナール全体で議論をします。秋学期からは,ここで持ち寄られた記事を整理して,皆さんの関心を幾つかのテーマに分類します。このテーマに従って,いくつかのグループに分かれ,グループごとに個別の研究テーマを設定し,研究テーマについてより詳しく調べていくというグループ研究を行っていきます。
 以上のように,このゼミナールでは,リスクという観点から社会における課題を広くあつかいます。リスクの議論は,常に, それによって苦しむ人々の存在と向き合うことになり,決して明るい話題とは言えません。しかし,誰かがそうした問題を議論し,解決のための道筋を考えなければ,社会には苦しむ人々が残されたままとなります。本ゼミナールは,大学における学びの技法についての習得と実践を図ることを主たる目的としており,どのような学生の受講も妨げるものではありませんが, 上記の趣旨に賛同し,こうした問題について学んでみたいという学生を特に歓迎します。
 講義の到達目標は,「アカデミック・スキルの基礎を習得すること」「社会に対して自身なりの問いをもつこと」「問いを解決するために大学でどう学ぶかという道筋を見つけること」の3点とします。
 
その他(アドバイス等)
  本基礎ゼミナールは,今後,専門科目を履修していく準備として,大学における学びの技法を習得することを目標の1つとしています。よって,どのような関心の方でも受講可能です。また,社会の様々な場所にみられるリスクを題材とするなかで,皆さん自身が感じている疑問や不安を,互いに相談しあえる場になればよいと思っています。
 なお,教科書は担当教員より貸与しますので,購入の必要はありません。