私は行動経済学や、実際にいろいろな実験をするような研究をしています。その中でも社会的選好といったものに主に興味を持っています。人間は自分自身の利益だけではなく、他の人の利益のことも考えて意思決定を下している、といった議論について、研究しています。
今回流行を好むことを、「他者を考慮した選好」として捉えて、果たして流行とは、どうやって造られているのかを考えてみたいと思います。
流行とは社会的に造られているだろうと考えます。今回は、バンドワゴン効果と呼ばれるものと、スノッブ効果と呼ばれるもの——みんなが持っているものが欲しい、それに反して誰も持っていないものが欲しい、という相反する心理によって流行はある意味造られている、という話をします。
そして最後に、流行による消費は誰のための消費なのだろうか、といったことみなさんと考えてみたいと思います。