政治経済学部のグローバル教育・留学
【政治経済学部】海野ゼミナールでは「ウクライナプロジェクト」を実施しています!
2022年06月15日
明治大学 政治経済学部事務室
海野素央ゼミナールの学生から、ゼミナール内での活動内容について報告がありました。
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政治経済学部海野ゼミナールでは「ウクライナプロジェクト」を実施しています。
同プロジェクトは、「模擬停戦交渉」「ヒアリング調査」及び「ディベート」の三部構成になっています。まず、模擬停戦交渉では5月25日、ゼミ員が小グループに分かれ、ウクライナ交渉団とロシア交渉団になり、交渉を行いました。仲介役のトルコのエルドアン大統領を海野先生が演じました。
模擬停戦交渉の目的は、ゼミナールで学習したR・ユーリーとW・フィッシャーのハーバード流交渉術である「原則立脚型交渉」をウクライナとロシアの停戦交渉に応用することでした。原則立脚型交渉には、「人と問題を切り離す」「立場よりも利害に焦点を当てる」「両者の利益になる選択肢を作る」並びに「客観的な基準を主張する」があります。模擬停戦交渉においてウクライナ側は「領土を2月24日以前の状態に戻す」「新たな安全保障の枠組みウクライナNATOを構築し、ウクライナとロシアが加盟する」「ロシアはウクライナに対して6000億ドル(約78兆円)の賠償金を支払う」を提案しました。
加えて、ウクライナ交渉団は南部クリミア住民投票を再度、実施することを要求し、同国が「ナチ化」しているというロシア側の主張はプロパガンダであると強く抗議しました。同交渉団は人と問題を切り離し、ロシア交渉団員を個人攻撃せずに議論を行いました。ただ、「ウィン(勝者)-ウィン(勝者)」ではなく「ウィン(勝者)-ルーズ(敗者)」の「力」の交渉に出ました。これに対して、ロシア交渉団は「停戦」「クリミア半島及び東部ドンバス地域からの撤退」並びに「新たな安全保障条約の締結」を提案しました。模擬停戦交渉におけるロシア交渉団は非難の応酬を避け、立場よりも双方の利害に焦点を当てた交渉を実践しました。
その結果、「東部ドンバス地域とクリミア半島を非武装化し、国連による国際平和部隊を配置する」及び「ウクライナとロシアを含めた新たな安全保障の枠組みを作る」の2点の合意に達しました。ただし、賠償金に関しては合意に至りませんでした。
次にヒアリング調査では、ゼミ員はウクライナ進出日系企業A社とB社を対象に実施しました。A社はオンライン、B社は書面回答で応じてくれました。A社は多言語通訳サービスKOTOBAL(コトバル)にウクライナ語を加え、同国を支援する名古屋市など約40の自治体をサポートしています。
一方、B社はキーウにある現地法人で働く社員の現状に関して説明してくれました。国民総動員令によりB社の男性社員の中には兵役義務が生じた社員(ウクライナ人)がいます。
さて、バイデン米大統領は一貫して米兵のウクライナへの派兵を否定しています。ゼミナールでは6月22日、「米国はウクライナに兵士を派兵するべきか」をテーマにディベート大会を開催します。現在、軍事専門家を中心にヒアリング調査を実施しています。
夏合宿では役割を変えて、ウクライナ交渉団がロシア側、ロシア交渉団がウクライナ側を演じます。その狙いは相手側の物の見方や考え方を理解することです(24期生ゼミ長 森太平)。
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政治経済学部海野ゼミナールでは「ウクライナプロジェクト」を実施しています。
同プロジェクトは、「模擬停戦交渉」「ヒアリング調査」及び「ディベート」の三部構成になっています。まず、模擬停戦交渉では5月25日、ゼミ員が小グループに分かれ、ウクライナ交渉団とロシア交渉団になり、交渉を行いました。仲介役のトルコのエルドアン大統領を海野先生が演じました。
模擬停戦交渉の目的は、ゼミナールで学習したR・ユーリーとW・フィッシャーのハーバード流交渉術である「原則立脚型交渉」をウクライナとロシアの停戦交渉に応用することでした。原則立脚型交渉には、「人と問題を切り離す」「立場よりも利害に焦点を当てる」「両者の利益になる選択肢を作る」並びに「客観的な基準を主張する」があります。模擬停戦交渉においてウクライナ側は「領土を2月24日以前の状態に戻す」「新たな安全保障の枠組みウクライナNATOを構築し、ウクライナとロシアが加盟する」「ロシアはウクライナに対して6000億ドル(約78兆円)の賠償金を支払う」を提案しました。
加えて、ウクライナ交渉団は南部クリミア住民投票を再度、実施することを要求し、同国が「ナチ化」しているというロシア側の主張はプロパガンダであると強く抗議しました。同交渉団は人と問題を切り離し、ロシア交渉団員を個人攻撃せずに議論を行いました。ただ、「ウィン(勝者)-ウィン(勝者)」ではなく「ウィン(勝者)-ルーズ(敗者)」の「力」の交渉に出ました。これに対して、ロシア交渉団は「停戦」「クリミア半島及び東部ドンバス地域からの撤退」並びに「新たな安全保障条約の締結」を提案しました。模擬停戦交渉におけるロシア交渉団は非難の応酬を避け、立場よりも双方の利害に焦点を当てた交渉を実践しました。
その結果、「東部ドンバス地域とクリミア半島を非武装化し、国連による国際平和部隊を配置する」及び「ウクライナとロシアを含めた新たな安全保障の枠組みを作る」の2点の合意に達しました。ただし、賠償金に関しては合意に至りませんでした。
次にヒアリング調査では、ゼミ員はウクライナ進出日系企業A社とB社を対象に実施しました。A社はオンライン、B社は書面回答で応じてくれました。A社は多言語通訳サービスKOTOBAL(コトバル)にウクライナ語を加え、同国を支援する名古屋市など約40の自治体をサポートしています。
一方、B社はキーウにある現地法人で働く社員の現状に関して説明してくれました。国民総動員令によりB社の男性社員の中には兵役義務が生じた社員(ウクライナ人)がいます。
さて、バイデン米大統領は一貫して米兵のウクライナへの派兵を否定しています。ゼミナールでは6月22日、「米国はウクライナに兵士を派兵するべきか」をテーマにディベート大会を開催します。現在、軍事専門家を中心にヒアリング調査を実施しています。
夏合宿では役割を変えて、ウクライナ交渉団がロシア側、ロシア交渉団がウクライナ側を演じます。その狙いは相手側の物の見方や考え方を理解することです(24期生ゼミ長 森太平)。