政治経済学部のグローバル教育・留学
【政治経済学部】藤本穣彦ゼミナールが工学院大学の白鳥祐介先生(熱力学・燃料電池研究)との合同ゼミを開催しました
2022年06月10日
明治大学 政治経済学部事務室
藤本穣彦ゼミナール(食料経済学)では、2022年5月27日に、工学院大学の白鳥祐介先生をお招きして、地域デザインゼミ(合同ゼミ)を開催いたしました。藤本ゼミ3年の野際稜太がレポートします。
今回のテーマは、「地球規模課題解決時代の価値創造:クリーンエネルギー創造研究室を立ち上げて」です。白鳥先生は、九州大学大学院工学研究院を経て、2022年4月に工学院大学先進工学部に着任。クリーンエネルギー創造研究室を立ち上げました。今回の合同ゼミでは、白鳥先生の地球環境問題に対する基本的理解(炭素社会から水素社会へ)から、固体酸化物形燃料電池(SOFC)によるベトナムでの実証研究という具体的な取り組みについてまで、クリーンエネルギーに関して包括的なお話を伺いました。エネルギー活用において重要であるエクセルギー(エネルギーの質)、アネルギー(無効なエネルギー)の話から、エネルギーの効率性、燃料電池の仕組みなど、化学や物理学を本格的に勉強していない人にもわかりやすいように説明してくださいました。
白鳥先生は、エネルギー利用において、1次エネルギーをそのまま自然の流れから抽出する重要性を説きます。
1次エネルギーの中でも地域特有の再生可能エネルギーを利用することがベストだといいます。その中で白鳥先生が目をつけ、今研究なさっているのが、バイオマスなどの再生可能エネルギーからつくり出された水素による発電です。
白鳥先生がベトナムのメコンデルタで実証研究を行っている、エビ養殖場での汚泥廃棄物を利用したSOFCの発電に関しての詳細は、是非次のサイトをご参照ください(https://www.jst.go.jp/global/kadai/h2602_vietnam.html)。新しい食料生産の可能性を感じることができます。
私が今回の講演で印象に残った言葉が2つあります。1つは、「人間は質量(体重)に見合った実質的なエネルギー代謝を行ってない」という言葉です。人間は、テクノロジーの進歩に伴い、他の生物とは比べ物にならないほどの圧倒的なエネルギー代謝量をもち続けているといいます。つまり、今の人間の生活は、自然本来の生物としての範疇からあまりにも逸脱し過ぎているのです。我々は普段から信じられないほどの量のエネルギーを生成、消費し続けています。しかし、そのことは恐らく私含め誰も実感が沸かないでしょうし、気にしようともしません。我々は、エネルギーのその後だけに注目するのではなく、「発電」というエネルギー生成の根幹、前提に目を向けるのも大事なのではないでしょうか?エネルギーは、つくる側だけでなく使う側にもその責任が生じると考えます。エネルギーは共有財産であり、皆のものであるべきだからです。確かにエネルギーの話は科学的で難しいでしょうが、それで突き放すのではなく、我々の目で知れるとこから知ることが重要だと思います。
2つ目は、「経済学や農学などの専門の方々と連携して進みたい」という白鳥先生のお言葉です。先生は、様々な分野の人々と連携する重要性をお話されました。先のエネルギーの話でも通じますが、つくる人はつくる、使う人は使う、と世界を閉じてしまっては、思考が凝り固まり、その世界の判断基準でしか物事を見れなくなってしまいます。何も皆が作り手になれ、とは言いません。特にエネルギーの分野においては、専門的な知識や技術が必要なので、そう簡単には言えません。日本人はよく「文系」「理系」という枠組みに囚われがちですが、そうではなく、できる人ができることをやる、というもう少し柔軟な考えで良いと思います。自分も何か特殊なスキルを携えている訳ではないですが、できることがあればやります。可能性の中には、権利だけでなく義務も同時に生じると考えているからです。
今回の合同ゼミには、白鳥先生がこれまで産学連携研究を進めてこられた企業・自治体関係者の皆さまも多く参加されていました。研究開発とその社会実装は、大学での研究だけでなく、連携、それを支える人と人とのつながりのなかで実現されていくものであると体感することができました。これから研究室間連携を深めるなかで、私も共同研究にチャレンジしてみたいと思います。
今回のテーマは、「地球規模課題解決時代の価値創造:クリーンエネルギー創造研究室を立ち上げて」です。白鳥先生は、九州大学大学院工学研究院を経て、2022年4月に工学院大学先進工学部に着任。クリーンエネルギー創造研究室を立ち上げました。今回の合同ゼミでは、白鳥先生の地球環境問題に対する基本的理解(炭素社会から水素社会へ)から、固体酸化物形燃料電池(SOFC)によるベトナムでの実証研究という具体的な取り組みについてまで、クリーンエネルギーに関して包括的なお話を伺いました。エネルギー活用において重要であるエクセルギー(エネルギーの質)、アネルギー(無効なエネルギー)の話から、エネルギーの効率性、燃料電池の仕組みなど、化学や物理学を本格的に勉強していない人にもわかりやすいように説明してくださいました。
白鳥先生は、エネルギー利用において、1次エネルギーをそのまま自然の流れから抽出する重要性を説きます。
1次エネルギーの中でも地域特有の再生可能エネルギーを利用することがベストだといいます。その中で白鳥先生が目をつけ、今研究なさっているのが、バイオマスなどの再生可能エネルギーからつくり出された水素による発電です。
白鳥先生がベトナムのメコンデルタで実証研究を行っている、エビ養殖場での汚泥廃棄物を利用したSOFCの発電に関しての詳細は、是非次のサイトをご参照ください(https://www.jst.go.jp/global/kadai/h2602_vietnam.html)。新しい食料生産の可能性を感じることができます。
私が今回の講演で印象に残った言葉が2つあります。1つは、「人間は質量(体重)に見合った実質的なエネルギー代謝を行ってない」という言葉です。人間は、テクノロジーの進歩に伴い、他の生物とは比べ物にならないほどの圧倒的なエネルギー代謝量をもち続けているといいます。つまり、今の人間の生活は、自然本来の生物としての範疇からあまりにも逸脱し過ぎているのです。我々は普段から信じられないほどの量のエネルギーを生成、消費し続けています。しかし、そのことは恐らく私含め誰も実感が沸かないでしょうし、気にしようともしません。我々は、エネルギーのその後だけに注目するのではなく、「発電」というエネルギー生成の根幹、前提に目を向けるのも大事なのではないでしょうか?エネルギーは、つくる側だけでなく使う側にもその責任が生じると考えます。エネルギーは共有財産であり、皆のものであるべきだからです。確かにエネルギーの話は科学的で難しいでしょうが、それで突き放すのではなく、我々の目で知れるとこから知ることが重要だと思います。
2つ目は、「経済学や農学などの専門の方々と連携して進みたい」という白鳥先生のお言葉です。先生は、様々な分野の人々と連携する重要性をお話されました。先のエネルギーの話でも通じますが、つくる人はつくる、使う人は使う、と世界を閉じてしまっては、思考が凝り固まり、その世界の判断基準でしか物事を見れなくなってしまいます。何も皆が作り手になれ、とは言いません。特にエネルギーの分野においては、専門的な知識や技術が必要なので、そう簡単には言えません。日本人はよく「文系」「理系」という枠組みに囚われがちですが、そうではなく、できる人ができることをやる、というもう少し柔軟な考えで良いと思います。自分も何か特殊なスキルを携えている訳ではないですが、できることがあればやります。可能性の中には、権利だけでなく義務も同時に生じると考えているからです。
今回の合同ゼミには、白鳥先生がこれまで産学連携研究を進めてこられた企業・自治体関係者の皆さまも多く参加されていました。研究開発とその社会実装は、大学での研究だけでなく、連携、それを支える人と人とのつながりのなかで実現されていくものであると体感することができました。これから研究室間連携を深めるなかで、私も共同研究にチャレンジしてみたいと思います。