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政治経済学部

【政治経済学部】守谷市立守谷小学校にて敬語学習の特別授業を実施 ─ 政治経済学部・ヨークゼミ

2025年07月28日
明治大学 政治経済学部事務室

図1:ゲームで使用するカードの各種類図1:ゲームで使用するカードの各種類

図2:ヨークがルール説明をしている場面図2:ヨークがルール説明をしている場面

図3:ゲームプレイの様子図3:ゲームプレイの様子

政治経済学部・ヨーク,ジェームズゼミナールは、2025年に茨城県守谷市の守谷市立守谷小学校を訪問し、5年生約100名を対象に、カードゲーム「KEI-GO!」を用いた敬語学習の特別授業を実施した。
 
ヨークゼミでは、「遊びやゲームの教育的・社会的な可能性」を主な研究テーマとして掲げており、今回使用した「KEI-GO!」は、ヨークが開発した教育用カードゲームである。本ゲームでは、尊敬語・謙譲語・丁寧語といった敬語の使い分けを、さまざまな役割に応じた対話形式で、実践的かつ楽しく学ぶことができる。
 
当日は、ヨークが学校内の教室から遠隔で全4クラスに向けて授業を行い、各教室では担任の先生方の協力のもと、ゲームの導入から実施、事後アンケートまでが行われた。授業の構成は以下の通りである。
 
敬語に関する簡単な導入説明
事前テスト・アンケートの実施
ゲームのルール説明
グループ(4~5人)でのゲームプレイ(2回実施)
事後テスト・アンケートの実施
 
授業時間は1コマ(約40分)と限られていたものの、生徒たちは積極的にゲームに取り組み、楽しみながら敬語の使い方を学んでいる様子が見られた。
 
分析結果
事前・事後テストのデータ(被験者数94名)によると、平均点は以下の通りであった。
 
事前テスト:12.13点
事後テスト:14.88点
 
平均2.76点の向上が見られ、これは統計的に有意な結果(p < 0.0001)であり、中程度の学習効果(効果量:0.54)を示している。また、アンケートからは「敬語の違いがよく分かった」、「実生活に役立つと感じた」といった肯定的な意見が多く寄せられた。
 
課題と今後の展望
一部の児童からは、「ルールが少し難しい」との声もあり、今後はより分かりやすい説明方法や視覚的な補助資料の導入、バリエーションの追加が求められている。今後はルールの簡素化や教材の改良を通して、より多くの児童が楽しみながら学べる教材として発展させていく予定である。
 
ヨークは「授業は1回限りで、比較対象となるコントロールグループや遅延テストは行えなかったものの、今回の結果はゲームによる敬語教育の可能性を示す有望な第一歩である」と述べている。