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川嶋周一ゼミナール<国際関係史>

川嶋周一ゼミナール<国際関係史>

海外ゼミでの集合写真

研究内容

授業のようす

本ゼミナールでは、国際社会が抱える様々な問題を歴史的な視点やアプローチから考えることをテーマとしています。国際社会の問題は、安全保障や国際協調の可否という古典的な問題から、移民・難民、環境、格差といった新しい問題など様々で、ゼミ生の問題関心を探りながら、文献輪読、グループ・ディスカッション、研究発表を重ねることで、我々の世界認識の解像度を上げていくことを目標としています。具体的には、米中など世界政治の主要アクターの外交政策、ヨーロッパ国際関係、国際政治および政治学における概念理解を取り上げ(取り上げるテーマや文献はその年ごとに変わります)、その理解に努めています。

ゼミナール活動の進め方

3年時においては、春学期は十大(下記参照)に参加しつつ、Foreign Affairsなどの時事英文論考を読み、国際関係史に関連するやや難解な学術的文献を3冊程度輪読しています。ゼミ内で議論を繰り返すことで、自らの思考の言語化能力・明晰性を向上させています。4年時においては、春学期は就職活動のかたわら、必ず学生自身の手で複数冊の書籍を選んで輪読し、秋学期は卒論執筆のチュートリアルをひたすら繰り返しています。本ゼミの卒論は、問題設定を必ず自分で立てた上で、エピグラフをつけ、最低2万字、四章立て構成を要件としていますが、最終的に3万字を超える卒論を執筆するゼミ生も珍しくありません。本ゼミの卒論執筆はハードですが、皆そのハードルを越え、本ゼミでの学修を終えることとなります。

卒業論文テーマの例



以下は、最近の卒論のタイトルの一例です。テーマの選択は学生の関心に任せています。教員の仕事は、その問題関心を論文に落とし込み、説得的な議論を構築するための方法論的、学術的アドバイスを行うことにあります。多様なテーマから、ゼミ生諸君らが国際社会の諸側面に興味を抱いている様子が伺えるのではないでしょうか。
『日本の多文化共生社会の実現に向けた取り組み:静岡県の事例から』(2017年)
『大日本帝国と日本地政学:小牧實繁の思想と理論』(2018年)
『オランダのサステナビリティ意識の定着:日本への視座』(2019年)
『ポピュリズムによる人権侵害:南米ベネズエラの危機』(2019年)
『米国における人種間格差:Racial Achievement Gapの是正に向けて』(2020年)
『アルザス地方におけるナショナル・アイデンティティの形成過程と変遷』(2020年)
『中曽根康弘と核兵器:戦後日本の矛盾の中で』(2020年)
全ての卒論のタイトルは、ゼミHPに掲載されているので、関心のある方はそちらをご覧下さい。

ゼミの特色

ゼミ生の主体性の発揮と、それなりに負荷のかかる学習の継続の両立に毎年四苦八苦していますが、「学びを通じて深い人間関係を構築し、それを通じてさらに深い学びを」をモットーに、和気あいあいとした雰囲気の中で、自由活発で、しかも闊達な議論を行ってることが、発足してから十年を過ぎた本ゼミの特色かなと(教員個人は)考えています(ゼミ生の人たちはまた違ったとらえ方をしていることでしょう)。
あと、コロナ前は、3年ゼミ合宿はゼミ生主導による海外合宿が数年間続きました。海外ゼミ合宿には色々な考え方があると思いますが、海外に行くこと自体が勉強になることもあります。

他大学・企業との活動実績

2013年より、半世紀前に緒方貞子氏らによって始まった十大学合同セミナー(国際政治・国際問題を学ぶための、首都圏の大学生によるインカレ団体、通称「十大」)に参加。同団体は、コロナ禍の中でもオンラインで活動を継続しています。
2017年から、慶応義塾大学法学部、法政大学法学部、成蹊大学法学部のヨーロッパ国際政治史・外交史を専攻するゼミナールとの合同ゼミを実施しています。

卒業生の進路

主な進路先の割合(過去5年間):金融(25%)、メーカー(20%)、IT(10%)、コンサル(6%)、報道(6%)、進学(6%)等。
就職先企業(一例):みずほ銀行、岡三証券、旭化成、野村総研、アクセンチュア、PwC、NHK、毎日新聞、丸紅パワーシステムズ、JR東日本など。
本学部の傾向に沿って金融・メーカー系企業に就職する人が多数派ではあるものの、個人の資質や希望に沿った個性的な職種の就職先も多いかなと感じています。なお、新卒就職後三年から五年程度で、3割が転職しているようです。フリーランスに転ずる卒業生も最近は目立つようになりました。