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日向祥子ゼミナール<日本経済史>

日向祥子ゼミナール<日本経済史>

研究内容



2021年度からは「『公正』について考える」ことをテーマに据えています.「何をもって公正とするか(例えば「何を,どこまで,どのような意味で平等化すべきか」など)」ということには,実は,絶対的な基準は存在しないのですが,それにもかかわらず,私たちは常に,自分たちの社会集団なりの「公正」の在り方を考え続けねばなりません.「公正」の基準をめぐって摩擦が生じた例について,歴史上の経験から学び,自分なりの考えを深めてゆくことを目指しています.

ゼミナール活動の進め方



指定のテキストについてゼミ生が要約資料を作成し,全員で協力して内容を確認するとともに,疑問点をめぐる議論を行います.また,数章を読了するごとに,テキストの内容と関連付けた調査を各自の関心に即して行い,これを発表しあうことで,本の内容をより深く,広がりを持たせて理解する機会にしています.この他に,「立場によって意見が分かれる(分かれた)問題」をめぐってディベートを行います.チームで協力して自ら学習計画を立て,立論の準備を進めていくなかで,友人関係も深まり,率直な意見交換のスキルが高まります.

卒業論文テーマの例

「公正」をテーマに据えたのは今年度が初めてなので,これからどのような卒業論文が生まれてくるかはわかりませんが,例えば,「年金問題」,「日本の税制」,「地域間格差」,「女性の社会進出」,「障碍者とバリアフリー」など,あらゆる現代的課題には「何が公正なのか」という問題が必ず含まれてくると思います.特定の見解に一直線に突き進むのではなく,様々な考え方を理解し,悩みながら自分なりの考えを固めてゆく取り組みに期待しています.