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2022年度情報コミュニケーション研究科フォーラム開催報告

【2023年6月15日更新】情報コミュニケーション学研究第22号に掲載されました。
詳細は、リンク(
開催報告)からご覧ください。

2022年度情報コミュニケーション研究科フォーラム開催報告

司会/コーディネーター:清原聖子(大学院情報コミュニケーション研究科専攻主任)

2022年11月29日
情報コミュニケーション研究科
 
情報コミュニケーション研究科は2022年11月19日、「ポスト・コロナのアメリカ~2022年中間選挙の分析と2024年大統領選挙の展望」と題して、2部構成で研究科フォーラムをオンラインで開催しました。 

2022年度研究科フォーラム概要 
日時 2022年11月19日(土)13:00~15:10
場所 オンライン開催(Zoomウェビナー)
主催 明治大学大学院情報コミュニケーション研究科
登壇者 岡山 裕   慶應義塾大学法学部教授
芦澤 久仁子 アメリカン大学専門講師及び
       アジア研究カウンシル・ジャパンコーディネーター
鈴木 健   明治大学情報コミュニケーション学部教授
兼子 歩   明治大学政治経済学部准教授
司会 清原 聖子  明治大学情報コミュニケーション学部教授

第1部 2022年中間選挙の分析



第1部では、大学院情報コミュニケーション研究科の今村哲也研究科長の挨拶に続いて、司会者から11月8日にアメリカで行われた2022年中間選挙の結果、上院で民主党が多数派を維持し、下院で共和党が多数派を奪還したことなどについて、冒頭に簡潔な説明がありました。その後、異なる研究バックグラウンドをお持ちの研究者の方々から中間選挙の結果に関する分析報告が続きました。

まず、政治コミュニケーションを専門とする鈴木健先生(情報コミュニケーション学部)から、中間選挙の結果に対して「予想よりもバイデン政権は健闘したのではないか」というコメントがあり、3,000億ドル以上の財政赤字削減、MAGA信奉者を攻撃、など「バイデンの戦略」についても説明がありました。次に、アメリカの内政を専門とする岡山裕先生(慶應義塾大学法学部)からは、今回の選挙の結果について、中間選挙は構造的に政権与党が2年前から後退するというものなので「予想の範囲内」というコメントや、2022年の中間選挙の独自性として、投票率が高く、増えた票は民主党に行ったこと、「トランプ派」による共和党乗っ取りの試み、という指摘がありました。三番手として、歴史学の視点からジェンダーと人種の問題を研究している兼子歩先生(政治経済学部)が登場されました。今回の選挙で民主党支持者の間で重要な争点とされていた中絶問題ということから、兼子先生は、中絶の合法性に関するアメリカの世論について解説され、中絶の問題はジェンダーの問題であると同時に経済の問題、という視点を紹介されました。最後に、日米関係を専門とする芦澤久仁子先生(アメリカン大学)がお話をされました。ワシントンDCにいらっしゃることから、日本ではあまり報道されない下院の若手候補者や州知事、州務長官など州レベルの選挙について注目した理由を説明されました。 

第2部 2024年大統領選挙の展望/質疑応答



第2部では、中間選挙の結果を受けて、今後2年間のバイデン政権の政策にどのような影響があるのか、そして2024年大統領選挙はどうなるのか、といったアメリカ政治の展望について討論が行われました。


まず、岡山先生は、「今後はほとんど立法ができなくなる」とご指摘され、芦澤先生は、「米国の対アジア外交政策においては、下院で共和党が過半数をとっても、大きな変化には至らないだろう。特に日米関係はほぼ現状維持となろう」と見解を述べられました。兼子先生は、日本のメディアがトランプに注目しすぎ、今回の中間選挙でも民主党の健闘が見えなくなっていると懸念を表明しました。最後に鈴木先生は、2024年大統領選挙についてシナリオを示されました。その後、ウェビナーのQ&A機能を用いて、参加者からの質問を受け付け、パネリストの先生方にお答えいただき、盛会のうちに研究科フォーラムは終了しました。多くの皆様にご参加いただきありがとうございました。 

研究科フォーラムポスター

明治大学大学院