Go Forward

ゴトウ アキラ GOTO Akira
職格 准教授
学位 博士(情報コミュニケーション学)
最終学歴 明治大学大学院
研究業績等 教員データベース
E-mail akiragoto@meiji.ac.jp
専攻分野(研究分野) 行動経済学・社会情報学・実験/計算社会科学
大学院研究指導担当 博士前期  −    博士後期  −

研究テーマ

ゲーム実験による自発的貢献行動の研究,行動経済学の社会実装に関する研究

主な大学院担当科目

行動経済学

講義概要をさらに詳しく見る(Oh-o!Meiji System)

「シラバスで授業を調べる」をクリックし、「授業情報」画面から教員名で検索してください。

受験生・学生へのメッセージ

1. 専門の紹介
私の専門は,行動経済学,実験社会科学,計算社会科学です。

私の研究室では,主に「実験」という手法を用いて,人間の協力行動,信頼関係,利他性,不平等回避などの社会的行動や,「ナッジ」という行動経済学の社会実装を実証的に研究しています。実験室での対面実験だけでなく,クラウドソーシングを活用したオンライン実験やフィールド実験も積極的に実施しており,多様な参加者から大規模なデータを収集しながら研究を進めています。
さらに,行動経済学の知見をどう社会に活かすべきか,その倫理的な境界線はどこにあるのかを考えることも,重要な研究テーマとして取り組んでいます。
ただし,私が志向する研究は上記のようなものであって,そのような研究を必ずしなければならないということはありません.興味・関心を持たれたら,ぜひお気軽にお問い合わせいただければと思います。

2. 必要な外国語の能力
講義は日本語で行いますが,行動経済学や行動科学,実験経済学などの関連分野の多くの研究が英語で発表されているために,論文を書き上げるためには多くの英語論文を読む必要があります。国際学術誌に掲載される最新の研究を追うためには,英語論文を正確に読み解く力が必要です。

3. 大学院進学に向けて準備すること
大学院に進学する際には,aは必ず理解しておいてください。さらに,b・cのスキルも身につけておくとより充実した研究を展開できるでしょう。

a. 行動経済学の基本的な知識を身につけておく必要があります
筒井ら(2017)は基礎知識として前提となります。行動経済学の背景をしっかり学ぶためにはカーネマン(2012)が良いでしょう。また,ナッジに関連する書籍としてはサンスティーン(2020)・サンスティーン(2021)が役に立ちます。国内の実践例は環境省ナッジユニット(https://www.env.go.jp/earth/ondanka/nudge.html)にまとめられています。

b. 統計学の基本的な知識とスキルを身につけておく必要があります
記述統計(平均,分散,相関など)と推測統計(t検定,分散分析,回帰分析など)やRCT(ランダム化比較試験)の理解は,実証研究の実施に役立ちます。

c. プログラミングができると,研究の幅が広がります
私はRによるデータ分析とoTreeによる経済ゲーム実験プログラムの開発を中心に行っています。これらは必須ではありませんが,Rの基本的な操作(統計分析,集計,可視化など)に慣れておくと,研究をスムーズに進めやすくなります。
oTreeは,Pythonベースの経済実験プラットフォームであり,オンライン実験を実施する際に非常に有用なツールです。関心があれば,公式ドキュメントや後藤(2024)を読みながら,簡単な実験(独裁者ゲームや公共財ゲームなど)を自分で作ってみることをおすすめします。

【参考文献】
後藤 晶(2024)「oTreeではじめる社会科学実験入門- Pythonのインストールから実験の実施まで-」,コロナ社
カーネマン, ダニエル(2012)「ファスト&スロー:あなたの意思はどのように決まるか?」,早川書房
筒井 義郎・佐々木 俊一郎・山根 承子・グレッグ マルデワ(2017)「行動経済学入門」,東洋経済新報社
サンスティーン, キャス(2020)「ナッジで、人を動かす ——行動経済学の時代に政策はどうあるべきか」,NTT出版
サンスティーン, キャス(2021)「入門・行動科学と公共政策: ナッジからはじまる自由論と幸福論」,勁草書房

主な著書・論文

人間は『人工知能』と『協力』できるか:クラウドソーシングを用いた仮想的AIエージェント実験による検討 社会情報学 12(1), pp.1-17, 2023
被監視感が主観的幸福度・社会的選好に与える影響:クラウドソーシングを用いた実験から 社会情報学 11(3), pp.1-17, 2023
情報社会における監視の許容度に関する分析:監視主体と監視媒体の観点から 社会情報学 9(3),17-33, 2021
ビッグデータ時代の経済ゲーム実験:クラウドソーシングを用いた大規模公共財ゲーム実験の実施 情報処理学会論文誌 62(5), pp.1246-1260, 2021

明治大学大学院