専門のメディア史のなかでも、近年はとくに女性誌の歴史と海賊ラジオ放送の歴史の研究に力を入れています。もともとはSNSの研究がキッカケでした。マスメディアはSNSと無縁のように思う人が多いと思いますが、実際には読者共同体や放送を通じた連帯など、インターネットがなかった時代から人びとの「集まり」を媒介する機能が雑誌やラジオ放送には備わっていたと考えられるのです。
【必要な外国語の能力】
講義、論文指導ともに、すべて日本語で実施します。したがって、私の授業やゼミ、論文指導を受けるにあたっては、日本語能力のみを重視します。ただし、日本語を第一言語としない学生については、「読む・書く・聞く・話す」のすべてで高水準の能力を要求するわけではありません。一般的な会話能力よりもむしろ読解力を重視します。
【大学院進学に向けて準備すること】
受験を希望する者は、私の専門があくまでもメディア史であることを了解しておいてください。当然ながら、研究の指導はメディア史的な関心を土台にして進めます。
また、研究においては実現可能な方法を組み立てることが重要だと考えています。
量的調査をする場合、サンプリングが妥当でなければ統計処理をしても意味ありません。質的調査においても、聞き取り対象の選定、質問の必然性など、学術的に裏付けられた方法論に沿ったプロセスが必要です。
近年はメディア研究においてもデータサイエンスの応用が注目されつつあります。アンケートやインタビューに安直に頼るのではなく、地道な一次情報の収集や適切なツールによる解析など、研究方法自体を研究する姿勢が今後は重要になるでしょう。