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セキグチ ヒロアキ SEKIGUCHI Hiroaki
職格 教授
学位 博士(文学)
最終学歴 慶應義塾大学大学院、京都大学大学院
研究業績等 教員データベース
E-mail zeitlose@meiji.ac.jp
専攻分野(研究分野) ドイツ文学、比較文学、ユダヤ系文学、文学と美術・音楽、都市空間と文学・文化の関係性
大学院研究指導担当 博士前期  ○    博士後期  −

研究テーマ

日独比較文学、特に多和田葉子の作品における翻訳と創作の相互関係。
文学におけるオリエンタリズム、特に南洋群島における日本文化とドイツ文学。
都市空間からみたウィーン・モデルネ(ウィーン世紀末)における文学と周辺諸領域。
現代ドイツ抒情詩(特にパウル・ツェランとヨハネス・ボブロフスキーにおけるドイツと東欧との関係)。

キーワード

ユダヤ、オリエンタリズム、間テクスト性、翻訳と創作、文学と音楽・美術、戦争と文学

主な大学院担当科目

比較文学・比較文化

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受験生・学生へのメッセージ

私の専門分野はドイツ文学・日独比較文学ですが、芸術や音楽、哲学、特にユダヤ人を中心とする文化や歴史など人文科学全般に関心をもっています。
文学研究はある作家や作品、ある特定の時代やジャンルに絞って研究する際にも、その背景にある広範な問題を多角度から比較・考察することがとりわけ重要になります。このような知識や思考力・分析力は、インターネット等から得られる安っぽい情報では全く十分ではなく、日頃から幅広い領域に関心をもち(毎日、新聞を読むことはとても重要です)、あくなき好奇心をもって本を読み、あるいは実際にその場に足を運ぶ必要があります。これは言うほど簡単ではありません。
しかし、もしあなたが本当に自分にとって切実で、どうしても探求したい研究対象が見つかったなら、まったくそのような労力は苦にならず、むしろ大きな楽しみになることでしょう。研究者になれるかどうかは、このような努力を、他人からはどう見られようとも、自分の信念に従って粘り強く遂行できるかにかかっています。

【必要な外国語の能力】
外国語の能力、特に読解力は必須です。私の場合、ドイツ語で読み、書くことが多いのは当然ですが、最近特に英語力の重要性を痛感しています。
多くの学生は英語だけで済ますことが多いのですが、そこにもう一つ外国語が加わると、さらに異なる角度から物事を考察することができるので、第二外国語を身に着けることは今後、グローバル化が進むなかで研究者にとってますます重要になるでしょう。
もちろん、日本語の力も重要です。日本人であるからといって日本語ができる、つまり高度な文章力と読解力を持っているとは限りません。誰にとっても絶え間ない努力と修練が必要です。留学生の人は、むしろ自分は日本人とは異なる言葉と視点をすでに持っていることを武器とし、その点を大切にしながら、それでも倦まずたゆまず日本語を磨くようにしましょう。

【大学院進学に向けて準備すること】
学部とは異なり、大学院は専門分野を深く学ぶところです。しかし必ずしもそのような環境になっていないのが現状です。それは学際的な学びの場によるところが部分的にあるのかもしれません。
私の担当する文学を研究しようという学生はほとんどいないので、もしそのような学生がいたら直接細かく指導します。どんな本を読み、何をどこで、どのようなスケジュールで勉強すればいいかまで具体的かつ徹底的に。
しかしせっかくこの文章を読んだ他の専門を択ぼうとしている学生に伝えたいのは、表面的な名誉や打算から大学院での学問をするのはおやめなさいということです。その学問を遂行することが自分にとって切実な問題であるのか、胸に手を当てて考えてください。単なる新しさに飛びつくこともおやめなさい。新し事が悪いのだと言っているのではありません。しかしのその前にその新しい事象が、どのような歴史的背景と地域的特性をもってそうなったかをしっかり検証する必要があるでしょう。
情報コミュニケーション学という名前に惑わされず、人文科学・社会科学・自然科学のそれぞれの特性と方法の違いを自分なりに認識し—これは誰も教えてくれませんので—、その中からどの方法と思考でもって自分が学問に向い合おうとしているのか真剣に考えてください。
これができれば、他の細かい知識やノウハウなどは自ずからついてくることでしょう。あなたの大学院での勉強が実り多いものとなることを祈念します。

主な著書・論文

単著
『翼ある夜 ツェランとキーファー』(みすず書房、2015)
『パウル・ツェランとユダヤの傷——《間テクスト性》研究』(2011年、慶應義塾大学出版会、連動駿台会学術賞)
『評伝 パウル・ツェラン』(2007年、慶應義塾大学出版会、小野十三郎賞記念特別賞)
『パウル・ツェランへの旅』(2006年、郁文堂、オーストリア文学会賞)
翻訳
ミレーナ=美智子・フラッシャール『ぼくとネクタイさん』(郁文堂、2018)
多和田葉子『パウル・ツェランと中国の天使』(文藝春秋、2013)など。

他に編著として『生誕200年 ローベルト・シューマン——言葉と音楽』『日本文化におけるドイツ文化受容』(ともに日本独文学会研究叢書)などがある。

明治大学大学院