鈴木:私は学校組織、教育学などを専門としています。2年次の問題発見テーマ演習を例にあげると、春学期では課題解決の方法論的なものを扱います。一方、秋学期には具体的にそれらが学校を対象とした研究にどのような形で生かせるのかという実践的な授業を行います。学校の組織形態や法整備などの観点ではなく、実際の現場の動きにフォーカスした研究を行っており、他領域の方法論、あるいは自分の専門領域と結びつけて、どんな研究で課題解決できるのかを体感してもらいます。
高馬:私は超域文化論と地域文化論などを専門にしています。中でも、授業のキーワードとなるのは「フランス」「ファッション」です。たとえば、ファッションは研究、学問の対象ではないとする声もありますが、実際には経済学、哲学、文学、メディアなどすべての学問分野で研究されています。私自身、大学院時代には、どこでファッションを研究すればよいのかと悩んだこともありましたが、現在は情コミでの授業の場をはじめとし、ファッションをテーマとした研究の広がりを感じます。ゼミ生に望むのは「ファッション」「ジェンダー」「メディア」をキーワードに自分なりの研究テーマを考えてほしいということ。特にファッションは時代の最先端をいくものであることから、「現代の情報社会の問題点」をもれなく反映しています。ファッションを通して「現代社会の課題とは何か」という問いの答えを、学生一人ひとりに明らかにしてもらいたいと考えています。「ファッション」を共通テーマとしていても、ゼミ生たちの研究内容は毎年バラエティに富んでいます。それは皆が、自分なりの問いを研究に昇華できているからだと思います。
また、情コミの先生方と一緒に行った「学際研究ラボ」も学部の特徴が現れている学術的な取り組みだと思います。2021年度からこれまでに3回行われており、過去に「流行」をテーマにしたとき、私はメディア論、文化論、ジェンダー論から、一緒に参加された鈴木先生は教育や校則の視点から「流行」を紐解きました。法律、知財といった切り口で「流行」に迫った先生も。これは情コミでなければできない取り組みだと思います。当日はギャラリーとして学生の皆さんにも参加してもらいました。一つの研究対象を複数の学問分野からとらえ、自分なりの研究に昇華してもらうきっかけとなれればうれしいです。
阿部:学際的なイベントと言えば、2023年度に実施した「研究交流祭」も非常によかった。各ゼミが1つのテーマに対し、10~15分の質疑応答に応えるもので、どのゼミのチームも非常によく勉強していたと感じます。1年生でも好成績を納めて高学年を圧倒したチームがありました。「学際研究ラボ」とともに、情コミ独自の取り組みとして今後も継続していきたいですね。
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