Go Forward

政治経済学部

【政治経済学部】盛本圭一准教授の論文がマクロ経済学の専門誌Macroeconomic Dynamicsに掲載されました

2022年01月28日
明治大学 政治経済学部事務室

 盛本圭一准教授の論文”Tax evasion and optimal corporate income tax rates in a growing economy” がマクロ経済学の専門誌Macroeconomic Dynamicsに掲載されました(堀健夫(東京工業大学)・前林紀孝(北九州市立大学)との共同研究)。

≫Hori, Maebayashi, Morimoto, “Tax evasion and optimal corporate income tax rates in a growing economy,” Macroeconomic Dynamics, published online.

 この研究は、現代の重要な政策課題の一つである法人税率の設定について、企業の脱税行動と経済成長の観点から理論的に分析しています。法人税の脱税は現実的問題として近年注目されているものの、それがマクロ経済のダイナミクスに与える影響について研究の蓄積が十分進んでおらず、本論文は新規性の高い理論モデルの提示に成功しました。主な結果は、企業が脱税オプションを行使するとき、それを考慮しない標準的枠組みに比べて高い有効税率(脱税分を差し引いた実質的な税率)を課すのが社会的に最適であるというものです。具体的には、先進諸国のデータにフィットするようにモデルを調整したところ、最適な税率は脱税可能性によって約4倍の高さになることが分かりました。
 この結果は、公務員の汚職など異なるメカニズムを考慮した既存研究の計算と整合的であり、世界的な法人税率の低下傾向に対して一つの疑問を投げかけるものです。

より詳しい一般向け解説については、下記のページをご覧ください

≫盛本圭一准教授のウェブサイト