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政治経済学部

【政治経済学部】海野素央ゼミナール 留学生との交流

2025年07月08日
明治大学 政治経済学部事務室

  海野ゼミナールには、留学生が11名(アメリカ2名、タイ5名、韓国、ベトナム、フランス、メキシコ各1名)いる(6月24日時点)。

 そこで、同ゼミナールでは、5月28日と6月11日の2日間にわたり、トランプ関税に関して「模擬交渉」を実施した。米国人の留学生が、ドナルド・トランプ米大統領と関税交渉を主導するスコット・ベッセント財務長官の役を演じてくれた。
 まず、米国とタイとの関税交渉では、米国側はタイと中国の関係をディカップリング(切り離し)する戦略に出た。中国からタイへの大幅な輸入量削減を要求した。
 次に、米国とベトナムの交渉では、ここでも米国側はベトナムと中国を切り離す戦略を取った。米国側は、ベトナム側がより中立な立場をとることをディール(取引)の条件にした。
 さらに、米国とメキシコの交渉においては、メキシコ側は農産物、自動車、国境管理及び銃規制の問題を取り上げたが、交渉は決裂した。
 米国と韓国の交渉では、韓国から米国へ輸出される自動車や電子部品が争点になった。韓国政府は、米国内に工場を建設し、雇用の創出を図ることを提案し、合意に至った。また、同政府は、自国の軍事費を増大させ、在韓米軍の負担を軽減させることでも合意した。
 一方、米国と日本の交渉では、日本側が日米同盟の重要性を強調し、韓国と同様、米国に大型投資を行い、雇用創出に貢献することを約束した。
 これらに加えて、米国とフランスの交渉では、フランス側が米国製の武器の輸入量を増加させることを条件に、関税の引き下げに成功した。
 この模擬交渉を通じて、交渉の事前準備の重要性を学んだ。また、ゲリー・ウィーバー元アメリカン大学教授の氷山のモデルを用いて、相手国の信念、価値観及び考え方のパターンを理解することが不可欠であることも学習した。交渉は、「論破」や「脅し」ではなく、「合意形成」であり、相手との信頼関係の構築が極めて重要であると強く感じた(海野ゼミナール3年生 茂木琴美 山崎奈々)。
 

関税交渉1関税交渉1

関税交渉2関税交渉2

関税交渉3関税交渉3