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研究プロジェクト 2011年度

A「女性専門職の過去・現在・未来」

堀口悦子・吉田恵子・武田政明・平川景子・長沼・岡山礼子
 戦前において女性の専門職の先頭に立った医師と弁護士は、対照的な形で誕生した。男性の強い抵抗の中で生まれた医師と、男性の主導の下で生まれた弁護士とである。この2つに典型的に見られるように、女性専門職の誕生には当時の時代背景、教育制度のあり方などが大きくかかわっている。本研究ではこの2つの職業の誕生・発展をたどることで、女性の専門職誕生の背景およびその意義を探る。

B「多様な人材の力を生かす企業におけるリーダーシップ」

牛尾奈緒美
 女性、外国人など多様な人材の活用を積極的に行なう企業における人材管理のあり方やリーダーシップ、フォロアーシップについて研究するため、実際の企業現場に赴き、関係各氏へのインタビュー調査を行う。

C「イギリス男女同一賃金法に見る女性労働」

吉田恵子
 イギリスでは1970年代に男女同一賃金法あるいは雇用差別禁止法が制定されたにもかかわらず、40年近くを隔てた現在でも、賃金格差はそれほど縮まっていない。その原因はどこにあるのかを、これらの法律の制定過程をめぐる各関係階層の思惑、利害関係を明らかにすることで探っていく。

D「戦後ドイツにおける公共性とジェンダー」

水戸部由枝・ 出口剛司
 J. ハーバーマスの「公共性」概念は、1968年の運動と密接に関わって発展し、今日、市民社会論や社会運動論の文脈で極めて重要な意義をもっている。しかし、同時代のフェミニズム運動は、ジェンダー史研究の観点から見ると、1968年の運動やその公共性イメージに対するアンチテーゼという側面を有していた。本プロジェクトは、こうした公共性概念をドイツ・ジェンダー史研究の視点から捉えなおすことによって、可能性と限界を明らかにすることをめざす。