人は、だれでもがその能力と希望に応じて、その選択した職業を通じて、自己実現をはかり社会貢献をする。そのことによって、社会は、安定的に維持され発展の継続がなされる。したがって、職業の選択と遂行の場面において、必要な能力の獲得と自由な選択意思および円滑な遂行を阻害する要因となるものの分析は、きわめて重要である。このことは、現在でも数々の点で克服できていない女性の職業選択の自由および職業継続・遂行の阻害要因を根源的なところから除去する解決手段を考える際にも同様である。本研究は、かつては、女性が選択することができなかった、いわゆる女性専門職に注目し、女性がその専門職に就くために克服していった過程を、それぞれの時代ごとに、政治、経済、文化的背景等を十分に踏まえて総合的に研究する。