近年わが国でも男女共同参画をめざす様々な政策が打ち出されるようになった。にもかかわらず、女性の社会参画は、必ずしも進んでいるとはいえない。本研究「『女性専門職』の過去・現在・未来」は、「女性専門職」に注目してその歴史をさかのぼり、その形成・発展過程を社会的・政治的・思想的状況の中で明らかにして、現在にも通底する女性の社会進出をめぐる問題点を分析することを目的としている。まず、女性専門職のパイオニアたる医療職と法曹職を対象とする。医療については医師と看護師、法曹においては弁護士を取り上げ、これらの職業が女性の職業として開かれ、あるいは専門職として確立していく過程を探ることで、女性専門職がもつジェンダー視点での問題点の根源を探っていく。