経営学部

フィールドスタディD(沖縄県 宮古島市:居駒 先生)実施報告

2019年03月31日
明治大学 経営学部事務室

テーマ  :宮古島の社会と文化
実習期間:2019年2月1日~2019年2月3日
実習先 :宮古島市(沖縄県)


履修学生は3年次の5名(男子3、女子2)である。

第一日目は宮古島市総合博物館で宮古島の歴史を俯瞰し、社会と生活文化の理解を深めた。その上で島内巡りをした。狩俣集落を訪問し、四元(ユームトゥ)などの村落祭祀の様子を見学した。雪塩製塩所で工場や商品販売、砂山ビーチで観光地を見学した。人頭税石を見ながら、明治時代まで続いた重税の歴史、仲宗根豊見親の墓を通して宮古島の草創期の歴史と社会を学んだ。ニコライ・ネフスキーの顕彰碑を訪ねて、宮古島を研究したロシア人の功績を振り返った。島内巡りを通して、宮古島の歴史に触れながらその固有の生活文化、言わば異文化を実感した一日であった。  

二日目は午前中、宮古島市在住の宮古伝承文化研究センター所長、佐渡山安公さんの案内で、上野村の史跡や祭祀遺跡を見た。佐渡山さんは観光陶芸店を経営する傍ら、宮古島の歴史と民俗を長年にわたって調査してきた方である。毎年、宮古島のフィールドスタディで協力していただいている方でもある。佐渡山さんの指導のもと、ご自身の畑で実ったサトウキビの収穫を体験した。実は、この日のサトウキビは昨年度のフィールドスタディで学生たちが植え付けをしたものである。学生たちは斧を持って曲がったキビを根元から伐り、葉を落とし、1メートル余の長さにそろえて積んでいく作業をした。この仕事がいかに重労働であるかを学生たちは実感することになった。午後は海水を汲んできて、それをニガリがわりにしてユシ豆腐作りをした。またサーターアンダギー(サタパンピン)という沖縄のお菓子作りにも挑戦した。夕食をとりながら、学生たちは自分のテーマに基づいて佐渡山さんから聞き取りをした。

三日目の午前中、学生たちはアポとっておいたインフォーマントのもとに出かけていって聞き取り調査を実施した。今年度のテーマは宮古島の食文化に関するものが多く、例えば「泡盛」「サトウキビ」「サタパンピン」などである。他に「宮古方言」について調べた学生もいた。事後授業ではフィールドワークをもとに調査結果をまとめるレポートの書き方について説明をした。

 「宮古島の社会と文化」というテーマで学生たちが学んだことは、異文化体験を通して自分の理解や思考を広げることであった。つまり、多様な考え方に立つことの大切さを実感的に理解することである。それが今回のフィールドスタディの大きな意義であったと思う。


居駒 永幸 専任教授