経営学部

フィールドスタディ C(山形県村山市:居駒先生)実施報告

2019年03月31日
明治大学 経営学部事務室

テーマ  :歴史文化による地域づくり
実習期間:2018年8月4日~8月6日
実習先 :山形県村山市

履修学生は3年次の4名(男子1、女子3)、4年次の4名(男子3、女子2)であった。
 一日目は村山市内巡りをした。観光地の東沢バラ公園、最上徳内記念館、最上川美術館を見学し、村山市職員の森さんの案内、説明を受ける。夕方、公営民宿「やまばと」に到着。夕食後、草刈康子さんら地域おこし協力隊のみなさんと交流する。この中には村山市で地域おこし協力員として採用され、仕事に従事している人もいて、実践的な話を聞くことができた。村山市の地理的な把握をはじめ、観光施設を見ることを通して、村山市取り組みを知る一日となった。
 二日目は午前8時から村山市の8地区のうちの大高根地区で開催された、歴史文化基本構想策定事業の一つである史跡巡りに参加した。集まった人数は60名で、小学生も10名ほど含まれていた。葉山修験の集落や鬼甲城址、最上川の早房の瀬、富並八幡神社の頼義のスギを見学した。地域の人々の歴史に対する関心の高さや子どもたちの積極的な取り組みに触れることができた。随時、聞き取り調査を進めることもできた。昼食は地元のソバを試食した。村山市が観光の目玉としている「そば街道」の店の一つである。午後は村山市の特産品であるジュンサイを摘む様子を見学する予定であったが、強い雨のため、元組合長の伊藤さんに話を聞いた。
 三日目の午前中、村山市役所の会議室で、企画調整課長の佐藤さん、生涯学習課長の井澤さん、同係長の森さん、さらに市長の志布さんが出席して、学生たちの質問に答えてくれた。2017年度から18年度の2年間、歴史文化基本構想にどのように取り組んできたかという話題を中心に、活発な質疑応答となった。学生たちのテーマは「商店街の活性化」「歴史文化の観光化」「ソバという食文化と観光資源」などであるが、現場の地域づくりの考え方に触れ、市民参画を実際に見ることで理解が深まったと思う。
「歴史文化による地域づくり」というテーマで学生たちが学んだことは、文化財を活用した地域活性化政策と市民の活動についてである。地域の特色や歴史文化に市民が誇りを持ち、大切に守っていくことが町づくりの根幹にあることを理解した。それが今回のフィールドスタディの大きな意義である。

居駒永幸 専任教授