経営学部

フィールドスタディB(広島県尾道:菊地先生)実施報告

2019年11月22日
明治大学 経営学部事務室

尾道水道を臨む路地尾道水道を臨む路地

再生物件第一号 ”尾道ガウディハウス”再生物件第一号 ”尾道ガウディハウス”

再生された大広間でのヒアリング再生された大広間でのヒアリング

フェリー乗り場にてフェリー乗り場にて

サイクリングの合間の休憩サイクリングの合間の休憩

実習先 : 広島県 尾道
実習期間: 10月28日~31日(3泊4日)
テーマ : 地域の潜在力を活かしたまちづくり:尾道市を事例に

 

目的(実習のねらい):
本講義では、広島県尾道市における空き家や空き店舗を活用したまちづくりを題材に、フィールドワークを通じた知見や資料の収集と,それに基づくレポートの作成という一連のプロセスを経験することを目的に実施した。
「事前学習」では,テーマ毎にグループに分かれ、フィールドワーク先の下調べを実施し,グループ毎の報告により実習先の理解を深め,質問項目を設定した。「実習」は10月28日から31日まで3泊4日で行い、尾道市の旧市街地としまなみ海道の向島、因島、生口島を中心にフィールドワークを行った。「事後報告」ではグループ毎に実習先での学習内容をまとめて報告を行った。


実習報告:
初日は移動日で午後遅くに尾道に到着したが、商店街を中心に多くの観光客でにぎわいを見せていた。夕刻が迫る中、迷路のように入り組んだ路地や坂道を歩きながら「尾道らしさ」をつくりだす風情を実感することができた。

二日目は朝に千光寺山ロープウェイを使って千光寺公園に登り、商業地がひろがる尾道水道に面した平地と、かつての豪商が競って建てた別荘地(「茶園(さえん)」)や寺社が点在する斜面地によって構成される旧市街地の構造と特徴の把握に努めた。その後、斜面地を路地に迷いながら下り、「NPO法人尾道空き家再生プロジェクト」代表理事の豊田雅子様に活動の取り組みや空き家や空き店舗の改築事例のご案内を頂いた。受講生が宿泊したゲストハウス(みはらし亭・あなごのねどこ)も1920年代に建てられた「茶園」の別荘を修復再生した建物(みはらし亭)や、商店街の空き店舗を改築した建物(あなごのねどこ)であり、再生の取り組みの成果を直に経験することができた。説明と質疑応答はかつての旅館を再生させた松翠園(しょうすいえん)大広間で行われた。

三日目は、日本版DMOの一つである「一般社団法人しまなみジャパン」が運営するレンタサイクルを利用し、生口島、因島、向島に赴き、「サイクリストの聖地」とも称され国内外のサイクリストを惹き付けるしまなみ海道の絶景を堪能した。一般道では安全を考慮してわかりやすく青色でサイクルレーンが色分けがされ、多言語による案内板が整備されるなど、利用者への配慮が伺われた。最終日は朝に3日間の知見のふりかえりを行った後、帰京した。

尾道は多くの学生にとって初めて訪れるまちであったが、「箱庭的都市」と呼ばれる美しい景観と、またそれを守りつないでいこうとする地元の熱心な取り組みに触れ、地域の潜在力をいかしたまちづくりの具体例を学ぶ、有意義な訪問となった。



菊地端夫 専任准教授