経営学部

フィールドスタディD(山梨、東京、静岡:石津先生)実施報告

2021年04月01日
明治大学 経営学部事務室

忍野支所訪問忍野支所訪問

日本郵便訪問日本郵便訪問

日本郵便訪問日本郵便訪問

静岡県庁訪問静岡県庁訪問

実習先: 山梨、東京、静岡
実習期間: 2020年12月2日(山梨)、12月14日(東京)、12月21日(静岡)
テーマ: さまざまな主体のCSR活動


 参加者は水産班、物流班、観光班の3つに分かれてフィールドスタディに取り組んだ。コロナ環境により、事前学修はZOOMに寄らざるを得ない場合もあった。また、同一日程により全員が同一地域に行くことができなかったため、班ごとに別日程による訪問となった。その概要は以下の通りである。

(1)水産班
水産班は、我が国の目標の一つである安定した水産資源の確保に資するため「陸上養殖を普及させるためにはどうすればよいか」を問題意識とし、陸上養殖の課題と解決策を研究した。事前学修では、課題の中でもとりわけイニシャルコスト・ランニングコストが高額であることに焦点を絞り、コスト問題には事業所ごとの取組みでは限界があるとして地域や企業との連携策を考案した。現地訪問では陸上養殖ブランド魚として著名な「富士の介」を開発した山梨県水産技術センター忍野支所を訪問し、研究内容のプレゼン・質疑応答を行った。その中で、様々な具体的な先行事例を紹介いただくなど外からは知りえない貴重な情報や知見をいただくことができ、研究視野を広めることができた。また、養殖現場を見学し養殖の方法や課題等について実地に知る貴重な経験をさせていただくことができた。

(2)物流班
 物流班は、物流を商品の生産者と消費者の間に存在する時間と場所のギャップを埋める仕組みであり、コロナ禍においてますます重要性を増している社会インフラであるとの認識のもと、事前学修においては物流業界に存在する労働力不足、小口多頻度化、再配達といった問題を多角的に研究した。現地訪問では日本郵便株式会社本社(東京)を訪問し、郵便・物流企画部の皆様の前で「個人向け配送の柔軟な効率化に向けて」と題して、研究概要とその結果としてのチーム集配の優位性についてプレゼンテーションを行うとともにフィードバックをいただいた。世界を視野に入れた物流の構築という視点の重要性など今後の研究にとって有用な多くの知見を頂戴することができた。

(3) 観光班
 観光班は、コロナ禍にあって低迷する観光業の活性化について、研究地域を富士山をはじめとするわが国有数の観光資源を持つ静岡県に絞り、旅行者の個人消費額に着目して事前学修を行った。コロナ環境が可変的な中、その現状と見通しを捉えた研究を行うには多くの困難があったがメンバー相互の協力により「静岡県の観光による地域活性化-個人消費額の視点から-」をテーマとした成果をまとめることができた。現地訪問では静岡県庁にてスポーツ・文化観光部観光交流局観光政策課の皆様に、現下の状況を踏まえたワーケーションなどを含めた研究成果のプレゼンテーションを行い、フィードバックをいただくことができた。意見交換では多くの知見を得ることができたが、とりわけ「低価格にするのはサービスに自信がないから」「サービスの充実で観光消費額の増加を狙う」という視点に「静岡県」に対する誇りと、今後の力強い方向性を肌で感じることができ貴重な経験となった。

 いずれの訪問先においても、現場でしか知りえない実務の課題を知ることが出来た上、現場の緊張感や温かさを体感し、社会人になる心構えを身につけることも出来、大変充実したプログラムとなった。訪問を受け入れ、懇切にご対応くださった各所の方々に感謝申し上げます。

石津 寿惠 専任教授