経営学部

フィールドスタディB(広島県尾道:菊地先生)実施報告

2022年12月20日
明治大学 経営学部事務室

再生された建物の説明を受ける再生された建物の説明を受ける

街歩きをしながら再生物件を巡る街歩きをしながら再生物件を巡る

実習先 : 広島県 尾道市、しまなみ海道(向島、因島)
実習期間: 10月23日~26日(3泊4日)
テーマ : 地域の潜在力を活かしたまちづくり:尾道市を事例に

 

目的(実習のねらい):
本講義の目的は、広島県尾道市における空き家や空き店舗を活用したまちづくりを題材に、フィールドワークを通じた知見や資料の収集と、それに基づくレポートの作成という一連のプロセスを経験することである。現地での実習には1、2年生を中心とした受講生12名が参加した。

「事前学習」ではテーマ毎にグループに分かれ、フィールドワーク先の下調べを実施し,グループ毎の事前資料の作成により実習先の理解を深め,質問項目を設定した。「実習」は10月23日から26日まで3泊4日で行い、尾道市の旧市街地としまなみ海道の向島、因島、生口島を中心にフィールドワークを行った。「事後報告」ではグループ毎に実習先での学習内容をまとめて報告を行った。

実習報告:
初日は移動日で午後に尾道に到着したが、全国旅行支援の影響もあり駅前広場や商店街は多くの観光客でにぎわいを見せていた。

二日目は朝に千光寺山ロープウェイを使って千光寺公園に登り、商業地がひろがる尾道水道に面した平地と、かつての豪商が競って建てた別荘地(「茶園(さえん)」)や寺社が点在する斜面地によって構成される旧市街地の構造と特徴の把握に努めた。その後、「NPO法人尾道空き家再生プロジェクト」代表理事の豊田雅子様に再生物件であるみはらし亭で合流し、再生物件の事例をご案内いただきながら斜面地を下り、再生の取り組みの成果を直に経験することができた。その後、かつての旅館を再生させた松翠園(しょうすいえん)大広間に移り活発な質疑応答が行われ、コロナ禍の中でも空き店舗の再生が急速に進んでいることなどが紹介された。

三日目は、日本版DMOの一つである「一般社団法人しまなみジャパン」が運営するレンタサイクルを利用し、生口島、因島、向島に赴き、「サイクリストの聖地」とも称され国内外のサイクリストを惹き付けるしまなみ海道の絶景を堪能した。一般道では安全を考慮してわかりやすく青色でサイクルレーンが色分けがされ、多言語による案内板が整備されるなど、利用者への様々な配慮が伺われた。最終日は朝に3日間の知見のふりかえりを行った後、帰京した。

尾道は今回参加した学生全員にとって初めて訪れるまちであったが、迷路のように入り組んだ路地や坂道を歩きながら「箱庭的都市」と呼ばれる美しい景観と、またそれを守りつないでいこうとする地元の熱心な取り組みに触れ、地域が点から面へと再生していく具体例を学ぶことができた。


菊地端夫 専任教授