経営学部

フィールドスタディB(東京、川越:森田先生)実施報告

2023年01月16日
明治大学 経営学部事務室

ててて商店街2022での見学・聞き取り調査ててて商店街2022での見学・聞き取り調査

川越 時の鐘川越 時の鐘

喜多院庭園喜多院庭園

龜屋 山崎淳紀氏へのインタビュー龜屋 山崎淳紀氏へのインタビュー

実習先 : 東京、川越
実習期間: 10月29日(東京)、11月27日(川越)
テーマ : 伝統文化の継承・発展について考える

 
目的(実習のねらい):
伝統文化の現状を学び、将来に向けてどのように継承・発展させていくべきかという点を、事前・事後学習とフィールドスタディを踏まえて考える。

実習報告:
下記(1)(2)のフィールドスタディを実施した。

(1) 「ててて商店街2022」の見学
 第1回FSは、品川で開催された《日本の手仕事・ものづくり》をテーマとしたマーケット、「ててて商店街2022」を見学し、出店者への聞き取り調査を行った。このマーケットは、「作り手・使い手・伝え手」の「三つの手」をつなぎ、現代におけるものづくりの現場を活性化させるべく実施されている。今回は、日本全国から100近くの店舗・企業が出店した。
 受講生は、各店舗を見学しつつ、出店者(作り手)と可能な限り対話することで、さまざまな地域におけるものづくりの現状や課題を学ぶことができた。

(2)川越の史跡・歴史的街並み見学と、龜屋(老舗和菓子店)でのインタビュー
 第2回FSは、埼玉県川越市の史跡・歴史的街並み見学と、老舗和菓子店でのインタビューを行った。当日は天候に恵まれ、多くの観光客で活気づく川越の現状と、観光化にともなう課題について、実感をもって学ぶことができた。また、受講生にとってインタビューは初めての経験だったが、川越の老舗和菓子店・龜屋の八代目 山崎淳紀氏に長時間お付き合い頂き、さまざまなお話をうかがうことができた。
 以下に、川越でのFSを終え、受講生から寄せられた感想・意見の一部を紹介する。

〇川越でのフィールドスタディは、日頃できないような体験やインタビューができて新鮮だった。この授業がなかったら、このような体験は自分からはしなかったと思う。また、事前授業をしていったために何倍も面白くなったと思った。とくに喜多院ではよく思った。事前授業をしていなければ気づかなかったことがたくさんあった。(O.D.さん)

○ 蔵造の街並みは、蔵造を眺めながら食べ歩きができる観光スポットではあるが、とにかく道幅が狭い。混雑時には歩行者同士がよけるために車道に出なくてはいけないほどだ。その通りは交通量も多く、車やバスがすぐ横を通りとても危険である。また、蔵造の街並みに観光客が集中しており、他の場所は客が少なった。川越には七福神や川越本丸御殿といったほかの観光スポットはあるものの、魅力を伝えきれていないと感じる。(H.T.さん)

○ 龜屋さんのような老舗の和菓子屋さんならば、家を継ぐというのが当たり前で、経営者の方もそのような考えなのかなと勝手に考えていた。しかし、山崎さんはそのような考えではなかった。山崎さん自身も元々自分の家を継ぎたくはなかったということを聞いて驚いた。だが、山崎さんも言っていたが、1度社会に出て様々なことを体験し、それから家に戻ってきているからこそ、うまく経営ができているのだろうなと思った。経営における継承についていろいろと考えた良い機会となった。(S.A.さん)

○ 龜屋8代目山崎淳紀さんとのインタビューを通して、日本の文化と伝統を守り続けている店舗、その中で特に和菓子屋の特別な位置づけを感じた。インタビューの中で印象的だったのは、店舗を全国展開するのではなく、川越という地域の中での存在であり続け、地域住民たちの龜屋でありたいということである。これは会社経営の目標とは、利益追求を優先して、会社を拡大していくべきであると学び続けた経営学とは大きく異なったものであった。伝統的で、歴史が長い企業は、現代社会企業と比べて特別な存在であると感じた。(T.G.さん)

森田直美 専任准教授