経営学部

フィールドスタディB(広島県尾道市:菊地先生)実施報告

2023年12月06日
明治大学 経営学部事務室

しまなみ海道しまなみ海道

街歩き視察中街歩き視察中

再生物件の説明を受ける再生物件の説明を受ける

夕暮れ迫る尾道夕暮れ迫る尾道

実習先: 広島県 尾道市
実習期間: 11月5日(日)~11月8日(水)
テーマ: 地域の潜在力を活かしたまちづくり:尾道市を事例に

 本講義の目的は、広島県尾道市における空き家や空き店舗を活用したまちづくりを題材に、フィールドワークを通じた知見や資料の収集と、それに基づくレポートの作成という一連のプロセスを経験することである。現地での実習には1、2年生を中心とした受講生10名が参加した。

 「事前学習」ではテーマ毎にグループに分かれ、フィールドワーク先の下調べを実施し,グループ毎の事前資料や事前質問項目の作成により実習先の理解を深めた。「実習」は11月5日から8日まで3泊4日で行い、尾道市の旧市街地としまなみ海道の向島、因島、生口島でフィールドワークを行った。「事後報告」ではグループ毎に実習先での学習内容をまとめて報告を行った。

 初日は移動日で午後に尾道に到着したが、海外からの旅行客を含め駅前広場や商店街は多くの観光客が戻ってきており、にぎわいを見せていた。

 二日目は朝に千光寺山ロープウェイを使って千光寺公園に登り、商業地がひろがる尾道水道に面した平地と、かつての豪商が競って建てた別荘地(「茶園(さえん)」)や寺社が点在する斜面地によって構成される旧市街地の構造と特徴の把握に努めた。その後、「NPO法人尾道空き家再生プロジェクト」代表理事の豊田雅子様に再生物件であるみはらし亭で合流し、再生物件の事例を丁寧にご案内いただきながら斜面地を下り、再生の取り組みの成果を直に経験することができた。その後、かつての旅館を再生させた松翠園(しょうすいえん)大広間に移り質疑応答が行われた。午後は各グループによるフィールド調査を行い、多くの住民へヒアリングを実施した。

 三日目は、日本版DMOの一つである「一般社団法人しまなみジャパン」が運営するレンタサイクルを利用し、生口島、因島、向島に赴き、「サイクリストの聖地」とも称され国内外のサイクリストを惹き付けるしまなみ海道の一部を走破した。一般道では安全を考慮してわかりやすく青色でサイクルレーンが色分けがされ、多言語による案内板が整備されるなど、利用者への様々な配慮が伺われた。最終日は朝に3日間の知見のふりかえりを行った後、帰京した。

 尾道の迷路のように入り組んだ路地や坂道を歩きながら「箱庭的都市」と呼ばれる美しい景観と、またそれを守りつないでいこうとする地元の熱心な取り組みに触れ、地域が点から面へと再生していく具体例を学ぶことができた。

菊地 端夫 専任教授