経営学部

フィールドスタディB(広島県尾道市:菊地先生)実施報告

2025年03月31日
明治大学 経営学部事務室

再生物件の様子再生物件の様子

路地で空き家再生の説明を受ける路地で空き家再生の説明を受ける

活発な質疑応答時間活発な質疑応答時間

しまなみ海道の一部を走破しまなみ海道の一部を走破

実習先:広島県尾道市
実習期間: 2024年10月23日(水)~10月26日(土)
テーマ: 地域の潜在力を活かしたまちづくり:尾道市を事例に

目的(実習のねらい):

本講義の目的は、広島県尾道市における空き家や空き店舗を活用したまちづくりを題材に、フィールドワークを通じた知見や資料の収集と、それに基づくレポートの作成という一連のプロセスを経験することである。2024年度は現地での実習に1年生から4年生まで受講生11名が参加した。
「事前学習」ではテーマ毎にグループに分かれ、フィールドワーク先の下調べを実施し、グループ毎の事前資料や事前質問項目の作成により実習先の理解を深めた。「実習」は10月23日から26日まで3泊4日で行い、尾道市の旧市街地としまなみ海道の向島、因島、生口島でフィールドワークを行った。「事後報告」ではグループ毎に実習先での学習内容や気づきの共有を行った。

実習報告:
初日は移動日で午後に尾道に到着したが、海外からの旅行客を含め駅前広場や商店街には多くの観光客が戻ってきており、観光地としてのにぎわいを実感することができた。

二日目は朝に千光寺山ロープウェイを使って千光寺公園に登り、商業地がひろがる尾道水道に面した平地と、かつての豪商が競って建てた別荘地(「茶園(さえん)」)や寺社が点在する斜面地によって構成される旧市街地の特徴の把握に努めた。その後、「NPO法人尾道空き家再生プロジェクト」代表理事の豊田雅子様に再生物件であるみはらし亭で合流し、再生物件の事例を丁寧にご案内いただきながら、路地を通ったり斜面地を下ったりし、再生の取り組みの成果を直に経験することができた。その後、かつての旅館を再生させた松翠園(しょうすいえん)大広間に移り質疑応答が行われた。午後は各グループによるフィールド調査を行い、多くの住民へヒアリングを実施した。

三日目は、日本版DMOの一つである「一般社団法人しまなみジャパン」が運営するレンタサイクルを利用し、生口島、因島、向島に赴き、国が指定する「ナショナルサイクルロード」の一つで世界的にも注目されている、しまなみ海道の一部を走破した。一般道では、安全を考慮してわかりやすく青色でサイクルレーンが色分けがされ、多言語による案内板が整備されるなど、利用者への様々な配慮が伺われた。最終日は三日間の知見のふりかえりを行った後、帰京した。

尾道の迷路のように入り組んだ路地や坂道を歩きながら、「箱庭的都市」と呼ばれる美しい景観と、またそれを守りつないでいこうとする地元の熱心な取り組みに触れ、地域が点から面へと再生していく具体例と、その秘訣について学ぶことができた。

以上

菊地 端夫 専任教授