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多重極限発生装置

多重極限発生装置







 私たちの身の回りにある物質は原子・分子でできています。石英、鉄、シリコンといった結晶の中では、原子や分子たちが0.1ナノメートル(1メートルの100億分の1)程度の間隔で、規則正しく整列しています。この原子の並びかたによって、物質の硬さ、電気の伝わりやすさ、磁性といった物質の性質は大きく変わります。有名な例はどちらも炭素原子でできているグラファイトとダイヤモンドです。炭素原子の並び方が違うだけで性質が全くことなります。物質の中で原子がどのように並んでいるかは、エックス線を用いることで測定する事ができます。この装置はエックス線と高圧力発生装置を組み合わせることで、物質を極限状態(高圧力・高温)においたときに、原子の並びがどう変わるかを測定することができます。例えばグラファイトを高圧力高温状態におくことでダイヤモンドを合成することができます。この装置は、極限条件でこれまで知られていなかった物質を合成することや、地球内部の高温高圧力状態を再現し、地球の構造と進化を探る研究に役立てられています。
理工学部