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総合文化教室

総合文化教室

General & Cultural Studies 「21世紀の地球社会を生きてゆく知力」

総合文化教室について



きみはこの門を通ってどこに行く? パリ、チュイルリー公園に置かれたリチャード・セラの作品「クララ、クララ」。©Keijiro Suga

 理工学部には8つの専門学科と並んで、「総合文化教室」という組織があります。外国語、人文科学系の諸分野、健康・スポーツを専門とする教員たちはここに所属し、一般教養の授業を担当します。学生のみなさんが所属学科にとらわれることなく、人間として大きく成長できるよう、私たちは、それぞれの専門分野のエッセンスをやさしく丁寧に教えていきます。
 学問にはさまざまな「門」があります。文学、哲学、芸術学、歴史学、言語学、社会学、文化人類学、身体科学など、多様な学問にふれることのできる「総合文化科目」、専門的知識をグローバルに学ぶための「外国語科目」、すべての基礎となる身体について学ぶ「健康・スポーツ科目」。専門分野を越えて学ぶことで、広い知識とねばり強い思考力を身につけ、目標に向かって歩んでいきましょう。
 総合文化教室の授業は、学科を越えた混合クラスで編成されています。自分とは異なる専門分野を目指す仲間たちと出会い、刺激を受けることができます。中でも、少人数のクラス「総合文化ゼミナール」では、担当教員の専門分野を反映した、特色ある授業を体験することができ、知的好奇心を徹底的に追究することができます。
総合文化科目

建物



  大学での学習の目的とは何でしょうか。いろいろな答えがあるでしょうが、私たちはこう答えたいと思います。専門知識の習得はもちろんだが、同時に、これからの人生の鍵をにぎる、実践的な知識と複眼的な思考力を身につけることだ、と。そのためには、人間の社会や歴史や文化を広く視野に入れた基礎訓練が、絶対に欠かせません。各学科の専門科目や「外国語科目」「健康・スポーツ学」と並んで、総合文化教室所属教官それぞれの専門分野を生かした、さまざまな主題にわたる「総合文化科目」は、科学・技術の専門知識を学ぼうとするみなさんにとって、大きな刺激と発見にみちた場となるはずです。
 総合文化科目は1・2年次を対象とした「総合文化ゼミナール」と、3年次以上を対象とした「総合文化講義」の2種類があります。「総合文化ゼミナール」は1クラス20名以下という理工学部独自の少人数クラスです。「総合文化講義」は、高度な内容をわかりやすく解説する講義形式クラスです。いずれも参加者の世界を広げてくれる刺激的な授業ですので、新しい仲間とともに積極的に参加しましょう。
外国語科目





  外国語を学ぶとき、世界が確実に変わります。新しい視界が開けてくるだけではなく、これまでよく知っていたと思っていた風景すら、まったく別のもの、見慣れないものになってくるのです。思いもよらなかった世界の細部にはじめて気づき、自分が話している母国語にも新鮮な魅力が感じられるようになる。思考も感覚も、全面的に鍛えられる。新しい友人ができ、新しい自分が生まれ、新しい地平線にむかって、どこまでもゆきたいと思うようになる。必修単位だけではなく、学部間共通外国語科目や海外提携校での短期語学研修、さらには長期海外留学にも積極的に挑戦し、21世紀の地球市民として、確実な力を身につけましょう。

 外国語には第一外国語(必修8単位)である英語と、第二外国語(必修6単位)であるドイツ語/フランス語/中国語/ロシア語があります。(留学生の場合、日本語を第一外国語、英語を含む他の外国語を第二外国語とします。)さらに学部間共通外国語科目として、English Communication/ドイツ語会話/フランス語会話/中国語会話/ロシア語会話/スペイン語/スペイン語会話/朝鮮語/ギリシア語等が開講されています。なお必修外国語科目の単位は、一定の条件を満たせば英語検定やTOEIC、仏語検定等の外国語試験資格によって振替えることができます。
健康・スポーツ学科目

スポーツ

健康的なキャンパスライフを送るために、自分の体力の現状を認識し、健康・体力を高めるための手段として、楽しく各種スポーツを学習する「健康・スポーツ学」と、自分の身体と対話しながらより深く理解し、生涯を通して楽しみながら行うことが目的である「スポーツ実習」(バレーボール、バスケットボール、テニス、サッカー、軟式野球、バドミントン、ゴルフ、卓球、ウォーキング、フィットネス、スキー[集中授業]等)があります。

授業紹介-総合文化ゼミナール

生田キャンパスの今と昔 清水 則夫 准教授



みなさんが「歴史」と聞いて連想するものは何でしょう。西暦を暗記するためのごろ合わせや、某出版社の用語集かもしれません。それらは多くの場合、遠い昔の出来事、みなさん自身と直接的にはかかわらないものと思われていませんか。この授業のテーマは、もっと身近な「歴史」です。
   明治大学生田キャンパスには、かつて大日本帝国陸軍第九技術研究所、通称登戸研究所があり、軍人や研究者が秘密戦と呼ばれるジャンルの研究を行っていました。つまり、このキャンパス自体がひとつの戦争遺跡であり、こうした歴史を後世に伝えるために、明治大学平和教育登戸研究所資料館が設けられています。
 この授業では、登戸研究所資料館を見学して生田キャンパスの歴史を学び、それをヒントに学問と社会のかかわりを考えることを目指します。これから理工系の学問を深めていくみなさんにとって、科学技術と社会の関係は他人事ではありません。戦争に勝つための研究を行っていた過去を振り返り、同時に現代の学問・研究を考え直す、この場所はそうした作業にふさわしい「歴史」をもっています。
自分の「ドイツ」を見つけよう!  松澤 淳 教授



 みなさん、ドイツと聞いて何を思い浮かべますか。サッカー、ビールとソーセージ、あるいは負の遺産としてのナチズム…。その次がなかなか続きません。名前は誰でも知っているけれど、なじみが薄い国、それがドイツです。確かにそうです。ただし、朝起きて洗顔の後、「ニベアのスキンクリーム」を塗る、「クノールのカップスープ」を飲み、「アディダスのシューズ」を履いて大学へ行く。これらすべて「ドイツ」なのです。私たちの生活の身近なところに「ドイツ」があります。そこで、この総合文化ゼミナールでは、さまざまな表情を見せるドイツにふれていくことにします。そのために、みなさんにドイツについて、たとえば、都市、観光地、産業、サブカルチャーについて調べて発表してもらいます。そして、発表してもらったテーマに関連する映像を見たり、聴いたりして、ドイツを体感していきます。こうして、自分だけのドイツを発見することがこのゼミの目標です。あなたが見つけたドイツは最初のイメージと変わりましたか。こうした点も含めて、ひとつのテーマを決めてレポートを書いてもらいます。ひとつの対象にさまざまな角度からアプローチしていく知的冒険が、みなさんの専門分野の研究を進めるうえでの一助にもなるはずです。
ワールド映画ゼミ 清岡 智比古 教授

シャトー・ルージュ駅前にて

 みなさん、映画は好きですか? 好きです! というあなたでも、やっぱり見るのは邦画や米映画が多いのではないでしょうか? この「ワールド映画」ゼミでは、ふだん自分からは手を出しにくい、でも見ればおもしろくて、今の「世界」を理解する助けとなってくれるような作品を見ていきます。映画に登場するのは、たとえばレバノンのベイルートにある美容室に集う女性たち、ゴラン高原に住む「無国籍」の花嫁、パリの裏町で暮らすユダヤ人少年、恋人に会うためにドーバー海峡を泳いで渡ろうとするクルド人難民、ヨハネスブルグで赤ちゃんを「盗む」ワル、そして中国は大連で結婚のために奔走するオジサン……などです(オモシロソウ!?)。ただし「世界」への理解は、ただストーリーを楽しんでいるだけでは得られません。ストーリーの背後にある社会の状況、たとえばイスラムの価値観などに対する、ある程度の知識はどうしても必要です。また、取り上げる多くの作品に顔を出す移民たちについても、彼らの選択の背後にある、地域や時代の特性を調べてみる必要があるでしょう。もちろん知識だけではなく、登場人物たちに寄り添い、彼らの視点をいったんは自分のものとして生きてみるための、やわらかな想像力も大事です。「ワールド」とはいっても、もちろんそれは限られたものです。それでもこのゼミを通して、「世界」へのとっかかりをつかむことができれば、それは大成功といえるでしょう。
みなさんが知らない価値観が「世界」にはあふれています。そして複数の視点をもつことは、大学で習得すべきことのうち、最重要項目のひとつです。さ、映画を見ましょう。扉を開けるんです。

研究室紹介-英語第2研究室

表現をするヒトとモノに向きあって  波戸岡 景太 教授



 私はふだん、アメリカの新しい小説や映画を研究しながら、理工学部の英語教育を担当しています。そのため、授業では、未訳のアメリカ小説を読んだり、最新映画の分析を行ったりします。これらはみな教科書用の英語ではないため、はじめは難しいと感じるかもしれません。ですが、学期を通じて努力していけば、一流の作家の文章を読み解く達成感や、磨き上げられた脚本に身をまかせる快感を得ることができるでしょう。さて、その一方で、研究者としての私は、言葉やイメージを人に届けることの難しさをテーマにしています。人間のもつ想像力というのは、実務的な会話術のみで表現しきれるものではありません。言いよどんだり、混乱したりしながら、作家やアーティストたちは、心の奥底を相手に伝えようとします。そうした複雑なプロセスを研究するにあたって、私自身は、表現をするヒトの内面を探るだけではなく、表現をかたちにするための道具、すなわち「印刷機」や「カメラ」といった具体的なモノにも目を向けています(写真は、活版印刷所の調査風景)。思いを伝えることの楽しさと難しさに向きあいながら、文化的な豊かさをみなさんと一緒に考えていくこと。それが、私の教育と研究の基本です。
理工学部