明治大学理工学部は、1949年の開設以来、理工系の研究・教育を総合的に展開し、近年では同分野における日本のトップレベルの一角を占め、また世界の主要大学との連携構築も推進しています。
「デジタル・ファブリケーション」は、デジタルデータを用いた素材加工を意味する比較的新しい用語として今日広く市民権を得ています。機器の急速な小型化・高性能化・低価格化と、デジタルデータによる設計情報の授受の一般化により、デジタル・ファブリケーションは大資本を有する製造業以外の、より小さな組織や個人の手にも届くようになりました。本施設を設置することで、授業のみに留まらず、工房を利用した参加型の学習を活発に展開し、学生が日頃からデジタル技術と具体的な素材加工を連動させ、ものづくりの楽しさを体験できる環境があることは、知識から制作への実践的応用ならびに制作から研究へのフィードバックといった、双方向的な着想、そして自発性や表現意欲を育てることにつながります。その可能性は、利用者が既設の工作工場・図書館・研究室等の諸環境を組み合わせて利用することによってさらに広がり、学生の成長を促すものになることが期待できます。