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デジタル・ファブリケーション工房

設置概要



明治大学理工学部は、1949年の開設以来、理工系の研究・教育を総合的に展開し、近年では同分野における日本のトップレベルの一角を占め、また世界の主要大学との連携構築も推進しています。 
「デジタル・ファブリケーション」は、デジタルデータを用いた素材加工を意味する比較的新しい用語として今日広く市民権を得ています。機器の急速な小型化・高性能化・低価格化と、デジタルデータによる設計情報の授受の一般化により、デジタル・ファブリケーションは大資本を有する製造業以外の、より小さな組織や個人の手にも届くようになりました。本施設を設置することで、授業のみに留まらず、工房を利用した参加型の学習を活発に展開し、学生が日頃からデジタル技術と具体的な素材加工を連動させ、ものづくりの楽しさを体験できる環境があることは、知識から制作への実践的応用ならびに制作から研究へのフィードバックといった、双方向的な着想、そして自発性や表現意欲を育てることにつながります。その可能性は、利用者が既設の工作工場・図書館・研究室等の諸環境を組み合わせて利用することによってさらに広がり、学生の成長を促すものになることが期待できます。

 

デジタル・ファブリケーション工房使用ルール



こちらの使用ルールを熟読し、同意した上で使用してください。
なお、使用にあたり、事前に利用登録が必要です。

⇒ デジタル・ファブリケーション工房使用ルール

デジタル・ファブリケーション工房の機器・設備を紹介

3Dプリンター

Bambu Lab X1-Carbon

3Dプリンター本体

3Dプリンターとは、3D CADや3D CGなどの3次元ソフトウェアで作成された3次元データを元に断面形状を積層し、立体造形することができる機器です。

本施設に設置されているBambu Lab X1-Carbonシリーズは、最高温度300℃でカーボンファイバーフィラメントに対応した256 x 256 x 256mmの造形サイズを持つ3Dプリンタです。2組の独立したセンサーとアルゴリズムを用いてノズル高さを調整、AIによるファーストレイヤー不良/スパゲッティ検査、内蔵カメラによるモニタリングを装備しており、プリントの失敗を防ぎます。また、X1-Carbon Comboは、プリンタの上に設置する自動素材供給システムAMS(Automatic Material System)を備えており、AMSを4台接続することで16色のカラープリントが可能です。
さらに、マイクロLiDARが搭載されており、ミクロンレベルの精度でプリントを計測、ノズル高さを測定し、流量を校正します。この機能は1層目がきちんとプリントされているか確認します。また、内蔵カメラによりプリントがスパゲッティ状態になっていないか検知します。
LiDARとフォースセンサーがセンサーとアルゴリズムを用いてベッドに対するノズル高さを二重に測定することで、レベリング調整にさらなる冗長性を持たせています。ノズルとベッド間の隙間を決めるレベリング調整は、安定した3Dプリントを実現する上で重要ですが、X1-Carbonは2つの独立した測定により調整、安定させます。

レーザー加工機

xTool P2S

レーザー加工機本体 レーザー加工機本体

レーザ加工機は、加工素材にレーザを照射することによって加工する機械のことです。切断やマーキング(製品に文字や記号を書くこと)、彫刻の加工ができます。機械が加工物に直接触れる接触加工とは異なり、素材に直接触れることなく非接触で加工します。そのことにより、摩耗による刃の交換といった作業や、金型等も不要になります。また、素材に外力が加らないため、金属や木材のみならず、接触だと加工の難しい柔らかいゴム素材などの表面処理が容易にできます。

本施設に設置されているxTool P2は、レーザー加工機を初めて使う方でも容易に扱うことが可能なエントリーグレードのCO2レーザーカッターです。木材やアクリル、その他さまざまな材料の切断・彫刻に使用できます。
AutoPassthrough™ Technologyによって、最大300cmまでの材料をシームレスに加工(彫刻と切断)することが可能です。同じアイテムを複数作成する場合、XCS(Xtool Creative Space)のデュプリケート 機能を使えば、ほんの数クリックするだけでオブジェクトの複製が可能です。優れたカット能力で作業スピードの向上も図れます。

真空成形機

MyYard FORMART 2

真空成形機本体 真空成形機本体

「真空成形機」とは、加熱して軟化させたプラスチック板を型に合わせて真空吸引することで立体的なプラスチック製品を製造するための機械です。

本施設に設置されているMyYard FORMART 2は、デスクトップモデルの中で最大の作業エリアを誇り、自動ブローオフおよびモールドリリース、自動プラスチックシート認識、デュアルブラシレス冷却ファン、調整可能な吸引制御、専用のプラスチックシート除湿機能など、豊富な機能を備えています。
また、工業用真空ポンプを内蔵し、インテリジェント制御と組み合わせることで、細部を犠牲にすることなく真空圧を正確に調整することができます。完全な材料データベースにより、オリジナルのプラスチックシートの使用有無にかかわらず、簡単に作成することができます。工業用石英ヒーターチューブで加熱スピードは3倍速にもなり、ヒーターの温度均一性に優れ、最高の成形品質を実現できます。

西之島調査プロジェクト

環境省による西之島調査で使用した探査機の部品もデジタル・ファブリケーション工房の3Dプリンターで作ったもの



自律型ロボット研究クラスターの黒田洋司教授・ 加藤恵輔准教授・小澤隆太教授・久保田孝特任教授が環境省による西之島調査に協力(探査機の製作と運転)しました。西之島は世界でも稀な新たに誕生しつつある火山島で、今なお火山活動が活発に続いているため、上陸することも近づくこともできません。本調査では、黒田教授・加藤准教授・小澤教授の自律型ロボットの研究チームが製作した探査機をドローンで調査船から約1km離れた島に運搬し、船から遠隔操縦、取り付けたサンプリングアームを駆使して火山灰などの貴重な試料の回収や多数の虫籠の設置に成功しました。

お問い合わせ先

理工学部事務室(デジタル・ファブリケーション工房)

第二校舎D館2階D206室
開室時間
平日 月曜日~金曜日 13:00~17:00

理工学部