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理工学部

2013年度University of Wuppertal(ドイツ)との国際交流実施報告(その2)

2014年02月12日
明治大学 理工学部事務室

Bracke教授(左),井上専任講師(中央),Fiedrich教授(右)Bracke教授(左),井上専任講師(中央),Fiedrich教授(右)

招待講演の様子招待講演の様子

招待講演終了後招待講演終了後

理工学部 機械情報工学科の井上全人専任講師が,ドイツUniversity of Wuppertal(ドイツ名称:Bergische Universität Wuppertal, 略称:BUW)で招待講演を行いました。
また,BUWの設計・建築・工学・リスクマネジメント学域(D学域)の学部長のEberhard Schmidt教授とリスクマネジメント学科長のBernd H. Müller教授,国際交流担当教授のPer Jensen教授と打ち合わせを実施し,2014年2月よりBUW博士課程の学生を2か月間,設計システム研究室(受入教員:井上全人専任講師)で受け入れることが決定いたしました。
 
招待講演について】
設計・建築・工学・リスクマネジメント学域およびリスクマネジメント学科の学生を対象として,以下2コマの招待講演を行いました。

1.日時:2013年12月4日(水) 10:00-11:30
<講演内容>
"Japan/Fukushima: Das Tohoku Erdbeben und der Tsunami – Konsequenzen für Bevölkerungs- und Objektschtz"
(Japan / Fukushima: The Tohoku Earthquake and the Tsunami – Consequences regarding the protection of population and objects)
担当教授: Prof. Dr-Ing. Frank Fiedrich, ”Betriebliche Notfallplanung und Objektsicherheit (会社の非常時対応と信頼性) ”の授業科目の一環として実施

2.日時:2013年12月4日(水) 15:00-16:30
<講演内容>
“Design methodology for the early phase of design – Japanese product development –“
担当教授: Prof. Dr-Ing. Stefan Bracke, ”Produkt- und Prozeßsicherheit(製品とプロセスの安全性)”の授業科目の一環として実施
 
今回の講演は,BUWの学生の単位に関わる授業であったことから,BUWのFrank Fiedrich教授(専門:リスクマネジメント)とStefan Bracke教授(専門:信頼性工学,安全工学)から講演内容の要望と指定があり,上記のとおり実施しました。

リスクマネジメントが専門の学科のため,日本の防災訓練教育の方法に関する質問がたくさんありました。ほとんど地震のないドイツでは,防災訓練をイメージできなかったようで,準備していた日本の防災訓練の動画をお見せし,ようやく理解してくれたようです。また,震災前後での防災の取り組み方がどのように変わったのか,お年寄りの方への津波時の対応はどうなっているのか,など質問が多数ありました。
 
2011年東日本大震災後は,ドイツでも毎日のように津波の映像が流れていたそうです。そして515万人もの帰宅難民が発生した首都圏でも,混乱することなく,列になって歩いて移動する人々や,東北でも電気の切れたコンビニやスーパーに略奪行為をすることなく,列を作り並んで自分の買い物の順番が来るのを待っている人々の姿に大変驚いたという意見が多くありました。
 
 日本人としては普通で当たり前のことですが,海外から見ると,日本人が災害の時でさえ,他人を思いやり,とても礼儀正しく振る舞うことに驚くようです。また,それは,日本人は世界的にも高い教育を受けているからこそ,地震や津波などの大災害が起きてもパニックになったり略奪行為に走ったりすることはないのだろうと思うという,嬉しい感想もありました。
 
BUWの学生さんが飽きないように,講演の中で,明治大学の紹介や,日本の紹介もしました。漫画や富士山,日本のモノづくり,朝の通勤ラッシュなどについても紹介しましたが,日本の漫画はドイツでも特に大人気のようです。また,ドイツでは大学入試がないため(そのかわり,入学者数の半数以上が卒業できずに退学することも珍しくないそうです),明治大学の受験生の総数に驚かれていました。ドイツの大学生にとっては,とても遠い国日本のようですが,日本や明治大学にとても興味を持っていただき,講演が終わった後も,嬉しいことに明治大学に研究滞在をしたいと声をかけてくれる学生さんもいました。
 
学部長,学科長,国際交流担当教授との打ち合わせ】
学部長のEberhard Schmidt教授(専門:安全工学,環境保全)と学科長のBernd H. Müller教授(専門:人間工学),国際交流担当教授のPer Jensen教授(物理化学が専門)と打ち合わせを実施しました。
 
そこで,2月からMechanical Engineering Informatics(機械情報工学)専攻の博士課程の学生を設計システム研究室(井上全人専任講師)に2か月間,研究滞在させたいとの申し出がありました。まさに,機械,電気および情報技術を融合させた本学の機械情報工学科と同じ教育理念の専攻です。
 そしてその翌日に,本学に研究滞在を希望している博士課程学生と打ち合わせを実施し,明治大学の紹介や,日本に滞在した際の共同研究の話など2時間以上も話は盛り上がりました。(帰国後,両大学間の調整を行い,この学生は正式に2014年2月より明治ゲストハウスに滞在し,Visiting Scholar(招聘研究員)として共同研究を実施する予定です。)
 
今後の両大学の交流として,将来的には,お互いの大学の学生を短期留学させたり,明治大学の博士課程の学生をDAAD(ドイツ学術交流会)の支援で受け入れたりすることも可能という大変光栄な提案もありました。
 
招待講演に呼んでいただいたFiedrich教授とBracke教授の専門分野は,設計工学が専門の井上専任講師とは異なっておりますが,海外の大学でも機械情報工学科の特徴でもある分野横断型の授業が実現できました。専門が異なる研究者が集まることにより,新しい研究のイノベーションにつながると考えています。
また,今回の招待講演では,BUWよりドイツでの滞在費の援助をいただきました。
今後も交流を続け,さらに,留学生受け入れなどの国際交流を活発化していきたいと考えております。
 
 
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