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理工学部

【理工学部】永井一清専任教授が2019年度日本包装学会賞を受賞しました

2019年07月22日
明治大学 理工学部

理工学部応用化学科の永井一清専任教授(本学工学部1988年3月卒)が、2019年度日
本包装学会賞を受賞しました。日本包装学会賞は、広く包装学又は包装技術に関する
研究において独創的かつ業績顕著なものを対象としており、受賞者には賞状及び副賞
(吉野賞)が贈られます。受賞題目は「高分子材料膜の透過性に関する研究」であ
り、30年に渡る研究面と社会貢献面での成果が評価されたものです。授賞式と記念講
演は、2019年日本包装学会定時総会(2019年7月12日、東京大学弥生講堂)で行われ
ました。

受賞研究は、プラスチックの原料として使用されている枯渇性資源である石油の代替
として再生可能資源である植物の利用を試みており、発酵から得られたバイオエタ
ノールを出発原料にする場合と、植物から抽出された成分をそのまま原料にする場合
の2つの方向から新しいプラスチックを合成する研究を推進したものです。フィルム
やボトル容器として実際に産業化されているものもあります。また、食品ロス(フー
ドロス)問題への取り組みとして、食品の長期保存を可能にするプラスチックフィル
ムのハイバリア化を試みており、バリア性のメカニズムを研究し、様々な実用的な理
論を提唱しています。そして、新しい材料設計指針にまで展開させ、実際に産業界に
おいて活用されています。

社会貢献面では、現在海洋プラスチックごみ問題が注目されていますが、それ以前の
容器包装リサイクル法(2000年)の施行前からプラスチックごみ問題に取り組んでお
り、上述した科学技術だけでなく、社会システムやライフスタイルの観点からも環境
問題の課題解決に努めております。この間、プラスチックフィルムに関するISO規
格・JIS規格の標準化を統括責任者や原案作成委員長として行い、また最近では平成
30年度の特許庁技術動向調査「ハイバリアフィルム」を、同調査委員会の委員長とし
て産業界を取りまとめ完成させました。また、永井教授は、国際標準化機構(ISO)
において、2018年からプラスチック製品に関わるISO規格の新規制定、規格の維持管
理、既存規格の改廃等を取り扱う委員会「ISO TC61/SC11 Plastic Products」の国際
議長(Chairperson)を務めており、国際社会の公平かつ公正な標準化の推進に貢献
しています。



(関連ホームページ)
日本包装学会 
http://www.spstj.jp/

永井一清 略歴 
http://www.isc.meiji.ac.jp/~nagailab/career.html

ISO TC61/SC11 Plastic Products 
https://www.iso.org/committee/49424.html

平成30年度特許庁技術動向調査「ハイバリアフィルム」(要約版26MB):最終ページ
に委員会名簿
https://www.jpo.go.jp/resources/report/gidou-houkoku/tokkyo/document/index/30_08slide.pdf

国際マリーンファームプロジェクト:バイオプラスチック
http://www.isc.meiji.ac.jp/~polymer/outline/prop01.html
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