Go Forward

【理工学部】2018年度複合領域科目「国際実習」タイプログラム実施報告

理工学部は2018829日から97日まで複合領域専門科目「国際実習」タイプログラムを実施しました。本プログラムは同科目(修得単位数:1単位)の根幹をなす海外実習であり、その目的は、海外に出て異文化交流の経験を積むことで国際感覚にあふれ、多面的な思考力と広い視野を涵養することと、そこで働く技術者の生の声を参加学生が直接聞くことにより、キャリア形成の一助とすることです。2015年度の試行を経て、3回目となる2018年度は、学部23年生34名(理工学部版12名、建築版22名)が参加し、シーナカリンウィロート大学人文学部日本語学科の学生とのグループ交流活動、本学アセアンセンターにおける講義とパネルディスカッション、シーナカリンウィロート大学Ongkharakキャンパス工学部訪問、タイに展開する日系企業の会社・関連施設訪問等を実施しました。なお、前半は建築版との相乗りで実施しています。

8月29日(水)



 バンコク・スワンナプーム国際空港に到着後、明治大学アセアンセンターに移動し、小沼アセアンセンター長より安全に関するガイダンスを受講しました。その後、全員で近くの食堂で夕食を共にしました。

8月30日(木)



シーナカリンウィロート大学人文学部日本語学科の学生との交流を通してタイの文化・歴史・個人の意識や考え方などを理解するイベントを実施しました。両学部の学生を10班に分けて、渡泰前からSNSで連絡を取り合いました。史跡・寺院・食事スポットなどの訪問先・時間配分などを計画することで、両国の学生がより深い意思疎通を図ることができました。班によって頻度に差があるようですが、学生同士で直接意見交換することで、タイの人々の考え方や価値観等を深く理解することができました。

8月31日(金)

午前



 午前はアユタヤにあるタイ味の素を見学しました。見学者ブースで味の素の歴史と製造方法について学んだ後に、施設内を見学し、現地駐在員と懇談しました。食文化の違いやうま味調味料への懐疑的な考え方が根強く残っている中で地道に商品の品質や安全性について説明を重ね、製品がタイの社会で受け入れられていくようになるまでのプロセスについて学びました。また、企業活動とは別に駐在員の生活環境や日常生活についてもざっくばらんに話を聞くことができ、将来、海外で勤務することへの意欲を高めた学生が多くみられました。

午後



 午後はアセアンセンターにて、事前授業と合わせて3回目となるタイ語の授業を受けました。この後に市内のスーパーマーケットにあるフードコートにて昼食が予定されているため、ローカルな屋台やレストランなどでの注文を中心とした授業となりました。また、タイでは料理の食材を指定したり、好みの味付けにアレンジしたりすることが一般的であるなど、文化的な違いについても触れられました。このような身近な話題を通じて、単にタイ語の初歩を学習するのみならず、多様性に寛容なタイの社会の片鱗を垣間見ることができる大変素晴らしい講義でした。

9月1日(土)

午前



午前中はアセアンセンターにて講義を実施しました。シーナカリンウィロート大学のProf. Ravipan Saleeponによる「Thai Economy」と題した講義では、タイの貧困とQuality of Life (QOL) に関する話題を、何のために働くのか?という視点から英語で講演していただきました。理工学部の学生にも理解できるように、専門性の高い経済用語などは平易な表現で説明していただき、講義後には学生たちとの英語による質疑応答が行われました。

午後



午後は、引き続きアセアンセンターにてパネルディスカッションを実施しました。パネラーは、報道写真家の瀬戸正夫氏、朝日新聞アジア総局長の貝瀬秋彦氏、国際協力機構(JICA)タイ事務所副所長の鯉沼真里氏(本学農学部OB)、 JERA Powerタイランド社長の石黒友規氏(本学工学部(現理工学部)OB)、オーガナイザーは小沼アセアンセンター長でした。瀬戸氏と貝瀬氏には、報道において真実を伝える大切さ、そのために自分の足を使って情報を集める大変さなどを、ご自身の体験を交えて語っていただきました。また、鯉沼氏と石黒氏には、海外から見た日本の雇用のこれからを題材にして、学生との意見交換にご参加いただき、活発な議論がなされました。

9月2日(日)



 Excursionとしてアユタヤの世界遺産を見学し、タイの文化に肌で触れることができました。見学中はタイでは神様として崇められている象も見ることができました。

9月3日(月)

午前



この日から理工学部版と建築版に分かれて行動し、理工学部版は午前中はタイ明電舎を訪問しました。同社は、明電舎の海外グループ会社で、本学卒業生の横山氏 (MEIDEN ASIA PTE Ltd. Project Director) に、企業概要・タイにおける事業展開について説明を受けました。特に海外で駐在員として働くための心構えについて、指導いただきました。

午後



 午後は移動してバンコクの都市鉄道路線「パープルライン」の車両基地、Train Depot of MRT Purple Line (Khlong Bang Phai)を見学しました。同線は、日本の車輌が初めて採用されていて、同社が担当した変電・配電システムが活用されています。まず、車両制御センターを見学し、パープルラインの鉄道運営権を所有するBangkok Expressway and Metro社の担当者から列車運行システムの説明を受けました。次に、タイ明電舎が設計・納品し、現在稼働中の変電システムを見ながら電力供給システムの説明をいただきました。各箇所の質疑応答では、日本語だけでなく英語による質問もあり、実のある実習になりました。

9月4日(火)



シーナカリンウィロート大学Ongkharakキャンパスにある工学部を訪問しました。Kampol先生のあいさつの後、電気回路の授業にお邪魔しました。その後、学食で先の授業の学生達と一緒にランチをいただきました。最初は戸惑っていましたが、30分もしたらすっかり打ち解け、最後は大撮影会となり終了しました。

9月5日(水)

午前



Mitsubishi Motors (Thailand) Co. Ltd.:同時期にタイで研修中の情報コミュニケーション学部と合流し、タイにおける自動車生産の変遷及び生産拠点Laem Chabangにおけるサプライチェーンの発展に関する説明を受けた後、自動車の生産工程を見学しました。続く質疑応答において、駐在員(日本人)と現地採用スタッフ(タイ人)の協働に関する体験談から、タイに生産拠点を置き事業展開することの意義を学びました。

午後



Techno-Metal (Thailand) Co. Ltd.:会社紹介の後、自動車部品等の鋳造工程を見学しました。融解した金属が鋳型に流される現場に圧倒されると共に、現地採用となるタイ人労働者の働く姿とその技能を間近に見学させていただくことで、海外生産拠点における実際を理解する良い経験となりました。駐在員とのディスカッションにおいては語学力の重要性を説かれ、学生達は今後の語学学習への良い刺激を受けていたようです。

9月6日(木)

午前



 午前中はチュラロンコン大学工学部電気工学科のSomboon先生を訪問しました。大学の歴史と工学部の説明を受けた後、電気回路演習の実験室を見学しました。実習は毎日午後に実施しているため、教室に学生はいませんでしたが、実験で使う回路の実物をじっくり拝見させていただきました。その後、建物を変えて、工学部図書館を見学しました。多額の寄付により建物の一部をrebuildして、学生のrelaxationを目的とした空間の構築に力が入れられていて、図書館というよりは品の良いカフェという感じが印象的でした。

午後

 午後は空港に移動しました。渋滞を避けるためかなり早く空港に到着したので、出国審査後に空港内でのんびりしました。夜行便で無事に全員が羽田に到着しそこで解散となりました。

参考(写真)
前半:https://photos.app.goo.gl/Qm7CBt8YE4x5YX8v5

後半:https://photos.app.goo.gl/qcJ4Rdo7zi7WehBh7

 

理工学部