Go Forward

【理工学部】2023年度複合領域科目「国際実習」タイプログラム実施報告

理工学部では、2023年8月29日(火)から9月6日(水)(引率期間:8月28日(月)〜9月7日(木))にかけて複合領域専門科目「国際実習」タイプログラムを実施しました。「国際実習」は、
  • ・国内における事前学習(初級タイ語・タイ文化に関する講義及びアクティブラーニング)
  • ・バンコク及びその近郊における講義・実習(企業・工場訪問)
  • ・現地大学生との交流プログラム
  • ・帰国後の成果発表会
で構成される、秋学期集中講義(修得単位数:2単位)です。 「国際実習」は、海外での体験に基づいて国際感覚を養うだけでなく、学生同士の交流や現地で働く技術者やビジネスパーソンの声を直接聞くことで、視野を広げ自らの将来を考えるキャリア学習としての側面も担っています。これまで、2015年度の試行を含めて5回実施されており、6回目にあたる2023年度は学部2・3年生22名が参加しました。

8月29日:アセアンセンターでの講義







2023年度の国際実習では、日本航空JL33便でバンコク・スワンナプーム国際空港に向かいました。到着後は学生全員が現金の両替や携帯電話の開通を済ませ、鉄道にて宿泊先であるFXホテルに移動しました。その後、明治大学アセアンセンターにてウィライラック先生より現地での安全ガイダンス及びタイ語・タイ文化の講義を実施していただきました。深夜便での移動ということもあり、到着日の午後は翌日からの実習に備えて準備や体調を整える時間としました。
*安全ガイダンスは情報コミュニケーション学部の実習と合同で実施しました。

8月30日:バンコク観光ツアーによるシーナカリンウィロート大学生との交流







シーナカリンウィロート大学(SWU)人文学部日本語学科の学生達との交流プログラムとして、「バンコク一日観光ツアー」を実施しました。この交流プログラムは、現地の伝統的な文化から現代的なポップカルチャーまで、異なる国の習慣や考え方に触れる国際実習の重要な位置付けだけでなく、SWUの学生にとっては日本語でのやり取りや説明を行う授業の一貫として、両校それぞれの教育プログラムが効果的に融合する形で実施されています。また学生達はこの日初めて顔を合わせるのではなく、事前にオンラインでの交流を通じて訪問先やスケジュールを検討しました。プログラムは公式には16時までとなっていましたが、その後も学生達が個人的に交流を行うなど楽しみながら交流する様子が見られました。

8月31日:工場見学





8月31日は午前中にMitsubishi Electric Consumer Products (Thailand) Co. Ltd.を、午後にはMitsubishi Motors (Thailand) Co., Ltd.を訪問しました。午前中の訪問ではエアコンの製造現場を見学しながら、技術的な面だけでなく現地での雇用や組織運営についても紹介していただきました。また駐在の技術者との座談会を行い、業務や生活、キャリアのことなどについてお話する機会をいただきました。
午後の見学は情報コミュニケーション学部と合同で、自動車の製造ラインを中心に見学しました。フレームへの各部品の組み付けのみならず、完成車の輸送やサプライチェーンについても学ぶことができ、総合的な学習につながりました。

9月1日:車両基地見学







Purple Lineの電力設備を担当したMeiden Thailand(明電舎の現地法人)の協力を得て、バンコクを走る地下鉄MRTの路線の一つであるPurple Lineの車両基地 (Khlong Bang Phai)を訪問しました。見学ではMRTの電力設備の解説と共に、鉄道運営会社のスタッフから説明を受けながらMRTの運転指令室の様子なども見ることができました。ちなみこの車両は東日本旅客鉄道(JR東日本)グループの総合車両製作所(J-TREC)が製造したステンレス製車両です。これまでの見学が日本語で行われたのに対し、車両基地では英語でのレクチャーと質疑応答が中心となりましたが、学生達の中にも意欲的にコミュニケーションを取る姿勢が見られました。

9月2日:Excursion





エクスカーションとしてアユタヤ歴史公園を訪問しました。タイ国鉄のアユタヤ駅まで移動した後、数名のグループに分かれて史跡を巡りました。この日の活動内容は、グループの編成からグループ単位の行動計画まで学生達がプランニングしました。思い通りに行動するには、それなりの交渉が必要となりますが、首尾はどうだったでしょうか。LINEによる状況報告や帰りのバスの中での会話からは、タイの歴史に思いを馳せ、それぞれに遺跡の街を満喫した様子が伺えました。

9月3日:自由行動

9月3日の日曜日は自由行動としました。自由な時間を満喫しながらも、緊張や疲れを取るために時間を使う学生が多かったようです。

9月4日:キングモンクット工科大学訪問





キングモンクット大学ラートクラバン校(KMITL)を訪問しました。到着後は同大学の紹介に加えて国際交流や留学生の受け入れ制度などについても説明を受けました。その後キャンパス内を移動しロボットやAIの研究設備を見学しました。なお,KMITLでは大規模な寮を備えており、数千人を収容できるそうです。またキャンパス内の見学中には複合領域の研究教育に力を入れている他、複数学位の取得にも積極的に取り組んでいるなどの解説があり,本学の学生も受け入れたいとの説明がありました。学内で昼食を取った後、午後はホテルに戻り学習内容の整理と成果発表会の資料準備を行いました。

9月5日:工場見学





Ajinomoto Thailandを訪問し、味の素(Monosodium glutamate (MSG))の製造工場を見学しました。うま味(umami)の発見や、この地域で多く採れるキャッサバを原料とした発酵や結晶化などのMSGの製造工程について英語でレクチャーを受けました。また同工場のバイオマス発電なども見学し、SDGsへの取り組みについても学習しました。敷地内の建物間は専用のバス(写真)で移動し、袋詰めや搬出などのプロセスも見ることができました。

9月6日:タイ文化学習





最終日はタイ文化学習としてタイ料理教室に参加しました。実習の間に何度も食べてきたタイ料理について食材一つ一つの説明を受けてヤムウンセン(春雨サラダ)やマッサマンカレーなどを作りました。独特の香りや味がどのように生み出されるのかを体験的に知ると共に、実習の中で多くを学んできたからこそ、タイの文化についてより深く考える機会となったようです。自分たちで作った昼食の後は空港への移動までの残された時間を思い思いに過ごしました。学生達にとって国際実習は総じて密度の濃い時間となり、海外で働くことのイメージが具体化し、チャレンジや気づきを通して自信をつけたり成長を実感したりする機会となったように感じています。
夕刻に鉄道でスワンナプーム国際空港に移動し、JL34便で帰国しました。羽田空港にて全員が荷物を受け取り、解散しました。
理工学部