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理工学部

【理工学部 応用化学科】データ化学工学研究室(金子弘昌研究室)から発表された論文が国際学術雑誌Industrial & Engineering Chemistry Researchの表紙絵に選出されました

2023年11月09日
明治大学 理工学部事務室

データ化学工学研究室(金子弘昌専任准教授主宰)から発表された論文が、国際学術雑誌 Industrial & Engineering Chemistry Research における Volume 62, Issue 44 (2023) の表紙絵を飾りました。

Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage (CCUS) は CO2 排出削減のため世界中で注目されています。CCUS における分離回収において、エネルギー効率の高い有望な技術として気体膜分離があります。膜分離プロセスの分離性能は、分離膜材料と分離プロセス構造が互いに影響を及ぼしていますが、これまではこの影響が考慮されていませんでした。そこで本研究では、膜材料と分離プロセス構造を同時に設計および最適化することを目的としました。まず、機械学習により新規膜材料の気体透過率を予測し、透過性能が高い材料の設計を行います。実際、1000万個を超える新規膜材料の候補から、高精度の分離性能をもつ有望な材料を探索できました。続いて、分離プロセスにおいて膜材料とプロセス構造を同時に最適化します。プロセス構造の設計では、スーパーストラクチャーアプローチを扱う機械学習法を開発し、さらにベイズ最適化により効率的探索を実施しました。その結果、気体の分離要件を満たすプロセス構造と新規膜材料の組み合わせの探索に成功しました。これらの成果は、マテリアルズインフォマティクスとプロセスインフォマティクスを統合した提案手法によってのみ達成可能です。本研究により、実験データ、仮想の分子構造の材料候補データ、プロセスシミュレーション、機械学習の回帰分析およびベイズ最適化を用いて、膜材料と分離プロセスの同時最適化を達成しました。


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