鈴木 来 助教(理工学研究科博士後期課程2022年度修了)は人工骨材料として使用されているリン酸カルシウムに着目し、研究を推進しています。具体的には、生体骨の新陳代謝プロセスである「骨リモデリング」に注目しています。骨芽細胞による骨形成系の観点から人工骨材料の機能向上を指向する研究はこれまでに数多く報告されていますが、破骨細胞による「骨吸収系」に着目した取り組みはまだ報告が少ない状況です。そこで、同氏は、破骨細胞と人工骨材料との相互作用を理解し、その知見をバイオマテリアルの機能設計に取り組む研究を展開しています。
これまでの研究成果が認められ、2024年8月29日-30日に、「奈良春日野国際フォーラム甍~I・RA・KA~ 別館会議室(奈良県)」で開催された「第33回無機リン化学討論会」の場で、日本無機リン化学会会長の春日敏宏 教授(名古屋工業大学名誉教授)より「未来賞」を授与されました。また、受賞題目で依頼講演を実施しました。
「未来賞」は、無機リン化学の学術・技術に関してすぐれた業績を挙げている、または分野の発展に意欲ある研究者・技術者に授与するものとして、令和6年度より新設された新表彰制度です。
なお、鈴木 来 助教は、「明治大学 生命機能マテリアル国際インスティテュート」の一員としても参画しており、研究を進めております。
受賞名:未来賞
学会名:日本無機リン化学会
受賞題目:骨吸収の観点から考えるリン酸カルシウム系生体材料創製の新展開