データ化学工学研究室(金子弘昌准教授主宰)から発表された論文が、国際学術雑誌 Industrial & Engineering Chemistry Research における Volume 64, Issue 7 (2025) の表紙絵を飾りました。
装置やプロセスの設計をする際に Computational Fluid Dynamics (CFD) シミュレーションが活用されています。装置の形状や運転条件などの x を変化させて CFD シミュレーションを行い、結果である y を確認するといった流れを繰り返し、良好な y となる x を設計します。x の設計を高速化する、すなわち少ない CFD シミュレーションの回数で x を最適化するため、機械学習による数理モデル y =f(x) を活用できます。しかし x の多次元空間における全ての条件を網羅的に探索することは困難であり、探索に漏れがあったり局所的な解に陥ったりしてしまいました。そこで本研究では、CFD シミュレーションをする際に y の目標値から x を直接予測する「モデルの直接的逆解析法」を開発し、CFD シミュレーション結果の網羅的な探索を実現しました。これにより従来の方法では実現困難だった x の最適化を可能にしました。提案手法により CFD シミュレーション結果に基づく x の合理的な設計が行われ、実際の結果とも良好に一致しました。