2025年4月22日、QWSアカデミアにて理工系の新たな潮流について、シンポジウムを実施した。明治大学は2022年12月15日、渋谷スクランブルスクエア株式会社と産学連携の協力推進に関わる協定を締結し、渋谷スクランブルスクエア内にある共創施設「SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)」にて、様々な活動を実施している。
同日のシンポジウムは、理工系の新たな潮流にスポットを当てるものとなる。理工系の研究と教育は、従来からの学問体系の中で着実に発展してきたが、近年はRtD(Research through Design)など新しい方法による実践が取り組まれている。また、明治大学理工学部と協定を締結し新たに研究・教育の両面での交流を開始するノルウェー科学技術大学(NTNU)では、Artistic PhDの学位プログラムの運用が開始されている。今回NTNUで教鞭をとり、自身が第一号のArtistic PhD取得者であるAlexander Erikson Furunes氏が来日するのを機会に、このような新しい潮流の日本での展開の可能性を探る場を提供した。
シンポジウムでは、まず田中友章氏(明治大学理工学部教授)により、明治大学の国際化に向けた取り組みを紹介しながら主旨説明があった。続いて、連勇太朗氏(理工学部専任講師)より、近年の海外におけるリサーチとデザインの新たな方法論について解説がなされた。Alexander Erikson Furunes氏(NTNU)は、リサーチとデザインを横断する取り組みとしてArtistic Researchの手法について、自身の実践を交えて発表を行なった。庄ゆた夏氏(明治大学理工学部教授)は、自身が教鞭を取っていたシラキュース大学におけるリサーチとデザインに関する教育プログラムを紹介した。最後に、門脇耕三氏(明治大学理工学部教授)のモデレートにより、登壇者全員での座談会を行ない、これからの大学におけるリサーチ・デザイン教育のありかたについて意見交換を行なった。
会場には約20名の学生・社会人が参加し、質疑応答の際には、Artistic Researchの方法論やデザイン教育のありかたについて、活発な質疑が挙がった。最後に懇親会を催すことで、リサーチとデザインに関心を持つ学内外の人々が、相互に連携を深める場となった。