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【理工学部】2024年度複合領域科目「国際実習」タイプログラム実施報告

理工学部では、202492日(月)から910日(火)(渡航期間:91日(日)〜911日(水))にかけて複合領域専門科目「国際実習」タイプログラムを実施しました。「国際実習」は、バンコクのシーナカリンウィロート大学(SWU)校内にある明治大学アセアンセンターを拠点にタイで事業展開する日本企業の訪問現地の講師による特別講義並びに現地大学生との交流プログラムで構成される911日の実習プログラムと、国内での事前学習・成果発表会で構成される秋学期集中講義(修得単位数:2単位)です。実習では、グローバル企業の活動を視察するだけでなく、海外で働く日本人技術者・ビジネスパーソンと直接懇談することによって視野を広げ、自らの将来を考えるキャリア学習としての側面も担っています。これまで、2015年度の試行を含めて6回実施されており、100名以上の理工学部生が現地で見聞を深めてきました。


9月2日:アセアンセンターでの講義







91日の夜、羽田空港から日本航空JL33便でバンコク・スワンナプーム国際空港に向かいました。飛行機は2日の早朝に到着し、空港で各自現金の両替や携帯電話の開通を済ませた後、市内まで鉄道で向かいました。宿泊先であるFXホテルメトロリンクマッカサンで荷物を下ろし、明治大学アセアンセンターでウィライラック先生より現地での安全ガイダンス及びタイ語・タイ文化の講義を実施していただきました。慣れない深夜便の移動と早朝からの活動による疲れを考慮して、午後は体調管理や現地での滞在の準備に充てる時間としました。
*安全ガイダンスは農学部の実習と合同で実施しました。


9月3日:シーナカリンウィロート大学生との交流プログラム(バンコク1日ツアー)







SWU人文学部日本語学科の学生達と国際実習参加者の交流プログラムとして、「バンコク一日観光ツアー」を実施しました。このプログラムでは、ツアーとして有名な観光地を訪れるだけでなく、現地の学生達にとって身近な場所を案内してもらったり、一緒に食事をしたりすることで親交を深めました。事前学習の期間にオンラインでの交流を行った上でこのプログラムを実施するため、合流してすぐに打ち解けられたようです。

9月4日:現地特別講義







この日はアセアンセンターにて二つの講義を受講しました。最初の講義はタイにおけるフードロスの削減と食糧支援プログラムについての講演でした。Scholars of Sustenance (SOS) Foundation Thailandのタナポーン(Tanaporn)先生による英語での講義を受講し、日本とは異なる食料事情について学び、そこから日本の将来についても考える機会をいただきました。2番目の講義は、Prof. Pisit Dhamvitheeのタイにおける農業経済の話でした。そもそもタイの農業生産高は輸出が可能なレベルにあったのですが、タイの農村も人口減少が始まっており、そのことが直接農業生産に影響することが予測されていて、対策が必要とのことでした。どちらの講義も、タイの現状を知ることから日本のことを見直すきっかけとなり、世界の中での日本の立ち位置を考えることにつながったのではないかと思われます。

9月5日:Mitsubishi Motors & Mitsubishi Electric 訪問







タイ滞在4日目は、Mitsubishi Electric Consumer Products (Thailand) Co., Ltd.Mitsubishi Motors (Thailand) Co., Ltd.を訪問しました。両社ともバンコクの南にあるチョンブリー県に工場を有しています。Mitsubishi Electricではエアコンの生産工場を見学した後、現地の駐在員の方達との懇談会が催され、学生達は海外で働くことになったきっかけや現地での生活の様子などを聞いていました。実際に海外で活躍されている駐在員の方達のお話を直に聞くことにより、海外で働くことがより身近に、かつ、具体的に感じることができたのではないかと思われます。Mitsubishi Motorsでは生産ラインの見学をした後、レムチャバン港への自動車の配送経路や輸出までの間自動車を停めておくモータープールなどを見学しました。この日は情報コミュニケーション学部の学生も参加し、大人数での見学となりました。

9月6日:Thai Ebara & Metropolitan Waterworks Authority







荏原製作所とそのタイ現地法人であるEbara (Thailand) Limitedの協力を得て、アセアンセンターでの講義(4件)と同社のポンプを採用しているMetropolitan Waterworks Authority (MWA)の見学を実施しました。この日はSWUの学生達も一緒に参加してくれました。講義では様々な業務に携わる方から仕事の魅力をうかがいました。またMWAではタイにおける水事情などの話を聞き、浄水施設を見学しました。タイ人の学生と日本人の学生が内容を教え合いながら見学したので、タイの学生にとっても新しい日本語を覚える機会になったようです。

9月7日:タイ文化学習







6日目は料理教室で自分達の昼食を作りました。もちろんメニューはタイ料理です。実際にタイ料理を体験することで、市場で食材を見た時にも、レストランや屋台の料理を食べる時にも、より深く、多くのことを感じられるようになったと思います。調理の説明は英語で行われましたが理解に問題はなく、どのグループも美味しく出来上がりました。食事の後は各々自由な時間を過ごしました。

9月8日:自由行動

学生は終日自由行動とし、それぞれのアクティビティを楽しんだり、体調を整えたりして過ごしたようです。また翌日のアユタヤにおけるフィールドワークを控えて、教員間では学生の安全や健康管理、並びに実習の進捗・帰国までの活動内容の確認についてミーティングを行いました。

9月9日: Ajinomoto Thailand & Ayutthaya Field Work





早朝よりバスにてアユタヤに向かい、Ajinomoto Thailandにて、うま味調味料であるMonosodium glutamate (MSG)の製造工場を見学に行きました。MSGは昆布に含まれるうま味成分として発見されましたが、タイでは現地で多く採れるキャッサバを原料に用いています。この工場では、日本人の駐在員が少なく生産部門はほぼ現地のスタッフだけで運営されていることに興味が集中していたようです。
 午後はアユタヤ駅を起点にアユタヤ歴史公園でフィールドワークを行い、グループに分かれて遺跡の探索などを行いました。


9月10日:帰国





最終日は午前中にアセアンセンターにて成果発表会に向けた準備状況を確認しました。チェックを受けたらウィライラック先生に挨拶をして、夕刻まで自由行動としました。なぜか確認を受けて解散した後も資料作成に熱中する学生も見られましたが、概ね残りわずかなバンコクでの時間を楽しんでいただけたと思います。夜は電車でスワンナプーム空港に移動し、11日の早朝に羽田空港に到着しました。

総括:成果発表会を終えて

 919日に成果発表会を実施しました。訪問先で学んだことやバンコクでの滞在を通して感じたこと、成長を実感した点などを一人ひとり報告しました。全体的な印象としては、学生達はそれぞれに発見や成長を実感できる部分があったように見受けられ、少し逞しくなって帰ってきたように感じています。バンコクでの経験が学生達の今後の生活やキャリアの中で活かせるとともに、次年度も、多くの学生が参加してくれることを期待しています。
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