Go Forward

理工学部

【理工学部 応用化学科】データ化学工学研究室(金子弘昌研究室)から発表された論文が国際学術雑誌ACS Omegaの表紙絵に選出されました

2023年08月21日
明治大学 理工学部事務室

データ化学工学研究室(金子弘昌専任准教授主宰)から発表された論文が、国際学術雑誌 ACS Omega における Volume 8, Issue 32 (2023) の表紙絵を飾りました。

CO2 をはじめとする温室効果ガスによる地球温暖化の問題は深刻化しつつあり、温室効果ガスの削減が注目されています。CO2 を資源として活用するための有望な方法の1つとして、メタノール経由したジメチルエーテル(DME)の合成があります。DMEは、石油・天然ガス・石炭などの化石資源やバイオマスなどの再生可能原料など幅広い原料から生成可能な物質であり、家庭用燃料やディーゼルエンジンの代替燃料としても注目されています。本研究は、100,000 kW の電力を出力するために排出される CO2 および、CO2 精製プロセスを含めた CO2 排出量が、原料 CO2 以下となるような DME 製造プロセスを設計します。プロセスシミュレーションと機械学習を組み合わせたベイズ最適化に基づく適応的実験計画法を開発し、少ない回数のシミュレーションでDME 製造プロセスを最適化できました。さらに、設計条件の候補だけでなくその周辺のシミュレーション結果を考慮することで、頑健な最適化が可能な手法(ロバストベイズ最適化)を開発しました。実際、平均して約44回で、DME 製造プロセスにおけるすべての目的変数の目標を同時に達成する設計変数の候補を見つけることに成功しました。提案手法は、DME製造プロセスの設計だけでなく、あらゆるプロセスの設計に応用可能です。
理工学部